札ノ尾

(ふだのお)
365m
H14.10.27


カシミール3Dで作成

 黒岩峡から歩いて数分、左手に竜ヶ岳への登山口が現れます。登山口からしばらくはアカマツやアセビなどの疎林の中を登っていきます。木陰も少なく日差しの強い日にはこたえそうな道です。やがて、最初のピークへと登り着き、一息つきました。縦走路はこの先もいくつかのピークを越えて続いています。
 お勧めは番目のピークで、山頂に6畳ほどの平らな大岩テラスがあります。見晴らしのよい岩に登れば、目前に枡形山、氷室岳、高照寺山などのパノラマが広がって楽しめます。
 稜線上にはアカマツ、コナラ、ヒサカキ、コバノミツバツツジといった木々が見られますが、高木は少なく、中低木が主になります。熊毛町史の資料によれば、伐採、山焼きなどの要因により成立した代償植林であるアカマツ林では、燃料革命による人の里山離れ、または松枯れの発生によるシイ、タブノキ、カシ類の復活が始まっているといいます。ただ、稜線上のように地力の乏しい場所では、松枯れ後の植生回復が遅れて、疎林状態になっているとのことです。このあたりの様子も同じなのでしょう。

 5番目のピークとなる札ノ尾山頂はなだらかな尾根状で、うっかりすると通りすぎてしまいそうです。展望もあまりないので、休憩をするなら少し先の340mピークまで足をのばした方がいいです。こちらは明るく開けたマサ土の小丘で、そばの岩に登れば、今まで見えなかった竜ヶ岳や大黒山なども見渡せます。

 今回はこの先の竜ヶ岳まで縦走の足をのばしましたが、相ノ見峠から周東町に下りてもよいでしょう。のんびりとした楽しい縦走路でした。

竜ヶ岳に続く