前書き


 現在多くの人々が、レジャーと観光のために野外へ出かけていく。そのたびに、自然や自然の生態系に直接に関与し、それらにあたえる悪影響はますます増大する。水質の汚染やまき散らかされたゴミ、植物や野生生物の減少に見られる環境汚染の現状は、自然環境を保護するための国家規模の倫理を開発する必要性を示している。
 これから述べる自然への影響を最小限に留めるいくつもの技術は、「Leave No Trace」すなわち「何も残さない」と言う意味の環境保全の原則として、国際的な環境保護のプログラムに組み込まれている。
「Leave No Trave」 の原則
 ○ 事前に計画を立て、準備をすること
 ○ 影響の少ない丈夫な場所を選んで行動すること
 ○ 持ち込んだものは持ち帰ること
 ○ でたかすを、正しく処理すること
 ○ 見つけたものはその場に残しておくこと
 ○ 火の使用を控え、火による影響を無くすこと
                       ※ 別紙で詳しく説明
  
 これらの原則は、アメリカ北東部で作られたキャンプガイドで見ることができる。他の地域の湖や川や海、または冬の自然を感じにその場所を訪れた人は、それぞれの地域で「Leave No Trace」の原則を基に作られたキャンプガイドからも、環境保全の技術を学ぶことができるだろう。
「Leave No Trace」は、規則や規制を意味するものではなく、人々の自覚と認識により実行されるものである。環境保全の実行は柔軟に行わなければならず、経験と判断によってその都度調節されていかなければならない。そのテクニックは日々進歩している。
 土壌や生態系、自然環境の質や量など、それぞれの場所でのたやすく影響を受けやすいものに気を配らなければならない。そして、それぞれにどのテクニックを使うかを判断しなければならない。そしてあなたのその配慮が、その土地そのものと、そこを訪れる他の人たちのために優しい結果を生みだしていることを知っていれば、あなたの旅行はさらに楽しいものになるだろう。
 山野に入る前に、その地域に入るためのアドバイスとその地域での具体的な規則を知るために、地元の土地管理機関やそこの土地所有者を訪れよう。まずは、そこで知った全ての規則とそこで得た全ての忠告に忠実に従うことが重要なのだ。
 
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