AFPY(PA)に関するQ&A


AFPYの効果的な事例について具体的に知りたい
学級で取り組める実践事例
人間関係づくりを取り入れた授業展開の方法

 ホームページ参照のこと
     http://www.geocities.jp/soledad/yssk/afpy-classroom/classroom-index.htm


教科指導の中で、どのようにPAの手法を活用できるか
授業でのAFPYの取り入れ方
教育課程内での効果的なPAの扱い方
「人間関係づくり」のための授業での留意点やポイント

 PAのベースは「フルバリュー」と「チャレンジバイチョイス」である。フルバリューとは、自分自身と相手を最大限に尊重することであり、その基本は「安全であること」「真剣であること」「公平であること」「楽しいこと」である。チャレンジバイチョイスとは、チャレンジのレベルや形を自分自身が選択できることで、この「フルバリュー」と「チャレンジバイチョイス」が教科指導の中で意識されているならば、それはPAの手法を使った授業になりうる。さらに、体験学習サイクルが授業で生かされていると、学習はさらに深まる。
 中学校の数学科での実践資料がVHSでまとめられていて、プロジェクトの講師(元沖浦中平井氏)が実践し、それを保有している。


クラスで実践できるアクティビティの紹介

 現在、プロジェクトで県内の学校を回り、校内研修で体験を通してAFPY(PA)を伝えている。十種ヶ峰のセンターも、AFPY(PA)を体験できるセンター施設になっていて、年間を通して体験会や講習会が開かれている。先生方対象の人間関係作りセミナーや教頭先生対象のリーダーシップ養成セミナーなど、研修所やひとづくり財団主催の研修も、難波講師をお迎えして継続して開かれている。これらの研修会に参加することがアクティビティを知る良い機会になる。
 また、十種ヶ峰のセンターや、国立徳地少年自然の家では、年間を通じて「体験会」や「指導者養成講習会」などの講座が開かれており、自己の研修を深める機会が用意されている。


少人数学級でも可能な効果的な人間関係づくり活動について

 AFPY(PA)でのグループワークは、8人から15人が適切であるが、これは、人間関係を学ぶために適切な人数でだからだ。しかし、工夫によっては、小規模のグループや、大きいグループでも展開は可能である。少人数でも効果的なアクティビティもあるし、アクティビティに頼らず、いろいろな場面でフルバリューを意識したふりかえりを行うことで、人間関係を意識することは十分にできる。


学級での人間関係づくり活動における教師のファシリテーターとしての関わり方

 ファシリテーターとは支援者であり、指導者やリーダーとは異なる。子どもたちを適切に指導しながら、目標に向かってぐいぐい引っ張っていく立場ではなく、子どもたちが安全に安心して学ぶことができる場を作り、子どもたち自身が作った目標に向かって学んでいく意識を支援しながら、学びが効果的になるように、学びのチャンスを奪わないように仕掛けていくことが大切な関わり方である。


個を生かした学級づくりについて

 子どもそれぞれがもつパーソナルなゴールには差がある。例えば、「仲の良いクラス」という目標があったとしても、その「仲の良い」というイメージや意識にはそれぞれ違いがある。個を生かすと言うことは、個の意識や目標を認知してそれをそれぞれ大切に支援すると言うことである。そのためにも、十分な話し合いで、子どもから生まれる学級の約束作りをすることも大切である。そして、それは随時ふりかえり、変化し、成長していくことで、個がさらに生きてくる学級経営が行われる。


プロジェクトアドベンチャーの教育手法を具体的に問題等に生かしていく手法について多くの例が知りたい。

 AFPY(PA)は、問題行動の対処についての処方箋ではない。AFPYを対処的に実践したから問題行動がなくなるというわけでは決してない。人間関係が必要とされる場が、心地よく安全であることがAFPYの「心の安全」「身体の安全」というベースになるため、年間を通した実践と成長に合わせた展開が大切である。
 年間を通した学級経営の実践資料が、プロジェクトのホームページに掲載されている。


不登校(別室登校)生徒との人間関係づくり

 不登校児童生徒の個々の状態を把握することが大切であり、学級復帰を望むのであれば、学級にその子の存在場所を用意していなくてはいけない。不登校の子どもにグループでの人間関係作りの活動は逆効果になる場合がある。現在悲しいかな、不登校の子どもたちは、学校・学級の中で「ディスカウント(数に数えられていない)」された存在になっている。問題行動を起こす子どもたちへの対応で「申し訳ないがそれどころではない・・・」と言う声も聞くが、どんな形にせよ、対応されている子どもたちの方が幸せである。不登校の子どもたちは、それを肌で感じ、それが不安感や不信感になっていることは否めない。自己否定感もそこから生まれている。環境を整えていない登校刺激も無責任であるが、学校がいつも存在を意識しているという事を、継続的に示していくことが対象の子どもとの人間関係を作っていく上で大切である。母親の良き話し相手に! ※詳しくは「ほっとひといき」


いじめに関するデータ数値

  ※要項に資料として添付


固定化しがちな児童の人間関係の改善

 アクティビティを活用することで、暗喩を通して自分たちを客観的にとらえさせ、固定化している人間関係を見直すよいきっかけになる。


仲間に入りにくい子どもへの対応の仕方

 何が原因で、どんなグループの状態で起こっているのか、千差万別であると思うが、グループに入るきっかけや、その場所がいつも安全な形で用意されていなければ無責任に対応することはできない。
  問題行動を有して自ら離れているのであれば、仲間に入るための活動への興味作りやそのきっかけへの仕掛けが大切であろうし、不安感から入ることができない子どもであるならば、その不安を取り除く環境作りが必要である。
  その環境を整備し構築していくためには、対処法では多分無理であろう。学級ならばその年度当初からお互いを大切にするための規範作りを十分に行って、ふりかえり修正しながらグループとして成長していくことが大切である。


集団行動が困難な児童がいるときにAFPYを行う場合の留意点

 低学年の児童に対して活動を行う場合や、グループに軽度な障害を有している子どもが居る場合などは、課題解決系のアクティビティを行うことは難しい場合がある。時間を計るなど、何らかの形でその子が参加できる環境を作ることや、特性に合わせて活動を調節する必要がある。
 必要ならば、支援者を増やして、その子とグループの安全を確保しなければならない。


ふりかえりを効果的に行うための手法や留意点など
効果的なシェアリングの仕方

しっかりしたゴール設定(目標設定)がないと、ふりかえりにはならず、単なる反省会で終わってしまう。ゴールも与えられたものではなく、自分自身が決めたものであることが大切。
 ふりかえりの経験が十分にないグループだと、意見交換は活性化されない。そういう場合は、写真やカードやその他の具体物を使って、自分の感情・意見を言語化することで、表現が容易になる場合がある。2人組などの少人数(ゴールモニタリングパートナー)で、ふりかえりをする場合も多い。ふりかえりは教師(ファシリテーター)の自己満足になってはいけない。


校内でPAの考えを取り入れた研修に取り組んでいるが、教科の中にその考えを入れていくことが難しいと考える教員がいる。そのような教員にどのように伝えればよいか。

 実践を通してその効果が実感できないと理解してもらうことは難しい。一番大切なのは日々の地味な実践である。このプロジェクトに参加して、教職員研修を通してよいイメージを持ってもらうことも一つの方法である。


お互いに心を開き合うためにはどのような努力・方法が必要か。
思いやりの心をどう育むか

 十分な話し合いと十分な他者理解からそれは始まる。フルバリューについて意識し、お互いが納得した上での規範作りが大切。その規範は修正され成長していき、「心の安全」と、「体の安全」を意識する努力が必要である。


どのような場面で、人間関係づくりの効果が顕著に現れるか。

 教師が精度の良いアンテナを張っていつも意識していれば、日々の生活の中で現れているものであるが、あえていうならば、演出された集団活動「体育祭」「文化祭」「宿泊学習」などで気づくことも多いかもしれない。


学校でソーシャルスキルトレーニングをどう取り入れたらよいか。

 ソーシャルスキルとは社会生活に必要な技能で、他者の感情や意図を認知し自分の感情や行動をコントロールし、強調するための技術である。
 ソーシャルスキルトレーニング (Social Skills Training:SST) は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学部精神科のロバート・リバーマン教授(Robert Paul Liberman)(1937 - )が考案したもので、困難を抱える状況の総体を「ソーシャルスキル」と呼ばれるコミュニケーション技術の側面からとらえ、そのような技術を向上させることによって困難さを解決しようとする技法である。統合失調症の治療から学校教育にまで幅広く利用されている。
 コーチング(coaching)、アサーショントレーニング(assertion training)、問題解決技法などとも関係がある。 ソーシャルスキルはそのテーマを自由に選ぶことができ、またトレーニングの方法も多彩であるが、主にボトムアップ(bottom up)、モデリング(modeling)、ロールプレイ(role play)、ホームワーク(homework)、フィードバック(feedback)などがパッケージになっている。
 SSTは認知行動療法の1つと位置づけられるが、最も重要であるホームワークとフィードバックにやや難を持つ技法である。すなわち学習が成立し、定着するためには適切な強化または消去を受けなければならないが、対象者の持つ生活空間がそのようなフィードバック機能を持たない場合、SST自体が単なるイベントで終わる可能性がある。


リーダーをどう育てるか

 確かに、リーダーが存在するグループは活動においてもまとまりはある。しかし、学級において特定の子どもがグループの中でリーダーとして存在する(育てられる)ことは大切なのであろうか。リーダーをどういうイメージで捉えているかが必要だが、グループのフルバリューをいつも意識し、活動へのきっかけを生み出す存在として捉えるならば、グループの構成メンバー全ての子どもにそのチャンスが訪れるように配慮し、演出する事も大切であろうと思う。メンバー全員総リーダーが理想!


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