OBSのコースは

   学びのための仕掛け

その組み立てはディレクターの責務   その運用はインストラクターの裁量

※ 具体的には、コースの運用(宿泊地の変更やトレースの変更)は参加者レベルではないということです。フレーズが進むと、コースの運用も含めて参加者サイドに預けますが、それすらもコース全体のコーディネイトの手のひらで進んでいるということです。


フレーズのもつ意味

トレーニングフレーズ

 基礎的な技術の習得 

   装備の装着の仕方、歩き方、休み方、地図の読み方、などのハードスキルトレーニング

   話し合いで決める意識、グループとして動く意識、装備を大切にする意識などのソフトスキルトレーニング

 
マクロ・ミクロの視点(パーソナルなレベル)でのトレーニング 

※ このレベルでのトレーニングが十分になされて、次のフレーズに進むことができます。個人が自分自身をコントロールする技術を付けて初めて、グループとして動いていくことができるのではないでしょうか。
  グループとしても、話し合いで意志を決定しようとする意識や、装備をみんなで大切にしていこうとする意識は、このフレーズでトレーニングすることが大切です。

 一日のコーディネイト(生活時間の配分・指示、具体的なコースの決定・運用)は、スタッフの責任です。


エクスペディションフレーズ

 グループとして存在する技術の習得(グループツアー)

   グループ全体が1つの意志として動くためのトレーニング「グループとしての自己決定の練習」

   生活時間(山時間)を意識した、一日をコーディネイトするトレーニング


ワイドな視点(一日を意識、グループを意識)でのトレーニング

※ このフレーズでは、スタッフの支援(間接的、必要に応じては直接的な)を受けながら、グループとして成長していきます。トレーニングフレーズで身に付けた技術を実際に運用し、身に付けていくためのフレーズでもあります。


ファイナル・エクスペディションフレーズ

 マクロ・ミクロの視点と、ワイドな視点の実践(ファイナルツアー)

   トレーニングで習得した、マクロ・ミクロな技術と、グループとして動く技術、グループの目標に合わせて一日をコーディネイトする技術を応用し実践する場。


グループとしての実践・成長の確認と実感

※ この期間の時間枠からコースレイアウトの決定までをグループに預けるフレーズです。とはいっても、グループはスタッフに監督され、その安全はスタッフが責任を負います。


コンクルーディングフレーズ

 グループから自己「現実」への旅立ち

   グループとして学んだ意識や培った自信を、個人の意識と自信として現実へ繋げる場。


多くの体験は自信となり、繰り返した経験は技術となって現実の生活で活かされる。

※ この場合の経験とは、食事を作ることや山の中でトイレをするといったことだけでは決してない。人と話をし、相手の意志を尊重すること、自分の意志を主張すること、同じ時と場所を共有することなど、コミュニケーションの大切なスキルもこれに含まれる。