YSSK(山口県青少年自然体験活動研究会)

冒険教育プログラムを活用した野外教育活動のための

インストラクターズマニュアル

港に停泊している船は安全である。しかし、その目的のためだけに造られた船はない。


 標記教育活動(以下プログラムと呼ぶ)は、大きく4つのフレーズ(期間)と、ソロと呼ばれる活動が含まれる。その概要は下記の通りであり、プログラムは各フレーズごとに展開され進んでいく。

  トレーニングフレーズ「訓練期」

  エクスペディションフレーズ「遠征期」

  ソロ「内省期」

  ファイナルエクスペディションフレーズ「熟成期」

  コンクルーディングフレーズ「自立期」


目次

準備

  1 貸し出し個人装備の準備
  2 共同装備品の準備
  3 物品チェック
  4 スタッフ間の役割分担や、コースの確認

トレーニングフレーズ

  1 出会いの演出
  2 ダッフルシャッフル(荷物の確認とつめ替え)
  3 共同装備(確認と振り分け)

   ※ 役割分担(グループの様子を見て随時行う)

  4 食糧配給(確認と振り分け)
  5 バックパッキングの練習
  6 食事の取り方(昼食)
  7 装備の装着
  8 歩き方(下手な休みは気力と体力が萎えていく)
  9 テントサイトの選択
 10 テント設営
 11 トイレトレーニング
 12 水の取り方
 13 料理の仕方
 14 食事の取り方(夕食)
 15 食料・ガベの保管
 16 ミーティング
 17 就寝
 18 朝の動き
 19 マップリーディング(地図読み)
 20 ディップ
 21 雷対策
 22 動植物等からの危険回避

エクスペディションフレーズ

  1 間接的支援を中心
  2 ファイナルに向けての意識付け
  3 必要なトレーニングについての再確認
  4 活動中のミーティングの持ち方の支援
  5 活動における時間配分のイメージをインプット
  6 ふりかえり

ソロ

  1 ブリーフィング
  2 セッティングと実施
  3 フルーツパーティ(オプションとしてもよい)

ファイナルエクスペディションフレーズ 

  1 ファイナルの意義付け
  2 活動のほとんどを参加者に預ける
  3 ふりかえり(フィードバック ※言葉によるポジティブな意味づけ)

コンクルーディングフレーズ

  1 ラストナイトミーティング
  2 個人ラン(森チャレの個人チャレンジでも可)
  3 クリーンナップ(前日から始めていてもよい)
  4 ラストミーティング

緊急時の対応について

  1 雷注意報発令時
  2 それ以外の注意報発令時
  3 警報発令時

資料集


準備(基本的にグループごとに行われる)

1 参加人数分の貸し出し個人装備の準備(以下搬出順に)
    ※物品名については、慣習として使われている名前も含まれる。

 ・エンソライトマット(BPマットロング180cm) 
 ・アタックザック(※65gと80gがあるので注意が必要)
 ・ザック用内袋(90gから120gのビニール袋)
 ・ザックカバー
 ・寝袋(季節や気温によって、夏用と寒冷地用を使い分ける)
 ・シュラフカバー(寝袋用の防滴カバー)
 ・ツェルトフライシート(ソロ用タープ)
 ・個人用グランドシート(ソロ用ブルーシート)
 ・スタッフバックL(フードバック)
 ・スタッフバックM(小物用バック)
  ・食器セット(食器、箸、スプーン)
  ・細引き(2mmロープ4本セット)
  ・予備ロープ(7mmザイル5m)
 ・笛(非常用)
 ・ボトルカバー(500mlペットボトル用)
 ・カウベル
 ・スパッツ(ゴムの状態を必ずチェック)

貸し出し可能物品
 ・ヘッドライト(LED仕様)
 ・合羽
 ・洋服等用内袋(ビニール袋)
  ※一般ビニール袋、70リットル用ポリ袋、ZIPロック袋など、用途に合わせて準備する)

 以上の物品を、ダッフルシャッフル(荷物のつめ替え)の場所にゆとりを持って並べておく。エンソライトマットの上にそろえておくとよい。

2 共同装備品の準備

グループ用
 ・6人用テントもしくは、4人用テント(参加人数に合わせて調節)
 ・テント用ペグ(倉庫奥ボックスにあるので、必要数ほど準備する)
           ※プラペグ10本、アルミペグ10本を、それぞれセットすることを推奨
 ・タープ(スチールポールやアルミポールは、イントラ判断で外してもよい。
      その場合、自分のグループのボックスで保管し、クリーンナップ時に現状復帰で返却)
   ※タープ用張り綱12本推奨(袋に詰める)
 ・火器
  ○ガスストーブ(2ヘッド)
   ・ガスボンベ500ml2つ(1週間程度の行程なら途中交換の可能性は低い)

 ・ストーブ用三脚(一班2つ)
 ・マッチ(ビニール袋に入れておくこと)
 ・ランタン(必要に応じて)
 ・コッフェル
 ・しゃもじ
 ・おたま(大スプーンで表示)
 ・包丁(2つ※カバー付き)
 ・まな板
 ・ストレーナー(汚水こし器)
 ・カウンターアソールト(クマ撃退スプレー2つ※イントラ保管)
 ・ポリタンク(2g4つ)
 ・ガべ袋(45gもしくは70リットル用ポリ袋)2つ
 ・トッペ(トイレットペーパー※トレーニングにもよるが、1日1ロールあれば余裕)
 ・トイレセット(男女混成班なら2セット※トッペと一緒にシャベルをセット)
  ※袋に入れておくこと
 ・殺虫スプレー
 ・手指消毒用アルコール
 ・地図とコンパス

イントラ用(最終的にはイントラ判断)
 ・2人用テントもしくは1人用テント
 ・火器(ガスストーブまたはガソリンストーブ)
  ※ガソリンストーブ(1つ)推奨
   ・ZIGボトル(ガソリン保存用)
   ・ファーネル(ガソリン用漏斗)※毎日の煮沸消毒用。付随して必要な物は判断して準備)

 ・テング(つまむ物。あったら便利)
 ・予備用ポリタンク
  ※塩素消毒された水を少なくとも500mlは常備すること
   さらに、最大4g分のポリタンクを常備(個人用とは別)
 ・各種ポリ袋(イントラ判断)
 ・予備用電池(単3単4それぞれ必要数)
 ・連絡用携帯電話
 ・非常用無線機
 ・救急バック ※ポーチ基本セットと赤基本セットにセッティング
  (以下優先順)
  ・ポイズンリムーバー
  ・タンニン酸アルコール
  ・抗ヒスタミン塗り薬
  ・消毒用アルコールまたは消毒用シート
  ・防水シート(救急バンソーコー)
  ・滅菌ガーゼ
  ・三角巾(2つ以上)
  ・テーピングテープ(35mm)
  ・キネシオテープ(35mm)
  ・はさみ、ピンセット
  ・整腸剤
  ・かぶれよう塗り薬
  ・エアーサロンパス(必要に応じて)
 ・ダニセット
 ・ウエットタオル(赤ちゃんのおしりふき)
 ・ムシロランバケツ(虫除けろうそく)
 ・蚊取り線香セット
 ・キャンドルランタン(ミーティング用)
 ・スパッツ用換えゴム
 ・ザック用バックル

3 物品チェック

 ・テントの状態
 ・火器の状態

4 スタッフ間の役割分担や、コースの確認

 ・インストラクターの関わり
 ・サブインストラクターの関わり(※記録が必要ならば記録を担当)
 ・コース全体の共通理解と当日の流れの把握


トレーニングフレーズ

1 出会いの演出

 ・スタッフの紹介(※プログラムの概要も含めて)
 ・自己紹介(他己紹介などのオプションもよい)
 ・目的の確認(※ナイトミーティングでも可)
 ・キャンプネームの紹介(※ナイトミーティングでも可)
 ・AFPY(※必要に応じて)

2 ダッフルシャッフル(荷物の確認とつめ替え)

 ・持参した個人装備の確認(持参物リストに照らして)
  ※必要のない物はお帰りセットか持参してきたバックに保管しておくこと
 ・貸し出し個人装備の説明と確認
  ・寝袋の使い方と片づけ方の実習(寝袋袋は寝袋の中に・肩からの体温の放出を防ぐ工夫)
   ※プログラム中の片づけは、袋に押し込むやり方で行うこと。
 ・パッキング実習(以下パッキング順)
  ※ザック用ポリ袋をセットして行うこと
  ・寝袋(シュラフカバーも同様にザックの最下部)
  ・下着等の着替え
  ・ズボンや上着等の着替え
  ・個人装備の入ったMスタッフバック(歯ブラシなどの持参装備もできればこれに詰める)
  ・その他生理用品などの個人持参物
 ・合羽やザックカバーは上部のポケットに入れる方がよい。
 ・カウベル、スパッツ、笛などはパッキングしない。(上部ポケットにいれておいてもよい)

3 共同装備(確認と振り分け)

 ・テント(小袋で3つの部品に分ける方法を推奨 ※ペグを使うこと)
 ・タープ(パッキングについては、なるべくザックに詰めること)
 ・ポリタンク(水を入れておくことが望ましい)
 ・火器(ガスボンベは持たしてもよいが、ZIGボトルはイントラが預かる)
 ・ファーネルやマッチ等の小物
 ・コッフェル
 ・包丁セット(包丁2本、まな板)
 ・その他調理器具(ストレーナー、お玉、しゃもじ)
 ・ガベ袋
 ・トイレセット
 ・トッペ
 ・殺虫スプレー
 ・手指消毒用アルコール
 ・殺虫スプレー
 ・救急バック
 ・地図とコンパス
 ・その他
   
    ※以上を班員で振り分ける。カウンターアソールトについては、使い方等の説明のあと、イントラが携帯。
     一人に片寄らないように間接指示を中心に配慮していく。

※ 役割分担(グループの様子を見て随時行う)

 ・リーダー(班長)
 ・ナビゲーター(地図担当)
 ・クック(食事担当)
 ・ガベ(ごみ担当)
 ・スカラベ(鍋処理担当)
 ・リーブノートレース(みか締め担当)
 ・ファーストエイド(保健担当)
 ・ジャーナル(※必要に応じて)

4 食糧配給(確認と振り分け)

 ・GORP(名前の由来と必要性を説明して、小袋に詰める)
  ※スタッフが詰めておいても可
   G(グッド)O(オールド)R(レーズン)アンドP(ピーナッツ)※ピーナッツは塩分の補給も兼ねる
 ・食料計画表を配布
 ・食料分配(誰が何を持っているかをサブイントラが記録)
  ※基本的には参加者の話し合いで決定する
 ・クッキングレシピの活用 

5 バックパッキングの練習

 ・荷物の詰め方(※ザック内側のアルミフレームを確認しておくこと)
  ※重い物から先に詰めるが、食料や小物等の出す頻度が高い物は上部にまとめる。
  ※テントやタープは、なるべくザックに収める。
  ※ガベ袋は、丈夫なポリ袋で2重にして、これもザックに収めることを推奨
  ※フタ部のベルトをしっかり締める
 ・ベルトの調節
  ※腰ベルトを十二分に締める(ザックは腰で持つイメージ)
  ※肩ベルトを余裕を持って調節(指が2本はいるくらい)
  ※肩の部分と腰の部分でザックを体に引きつける
 ・扱い方(持ち上げ方と降ろし方)

6 食事の取り方(昼食)

 ・チャウサークル
  ※目を閉じてから、チャウのリーダーがリーディング集から詩を選択、朗読
 ・手指の洗浄・消毒
 ・おかわりの仕方
  ※全員が食べ終わるまでおかわりを待つ
  ※おかわりは希望者のみ
 ・食器の片づけ
  ※スプーンでできるだけ取ってから、トッペで拭きあげる
  ※油物の始末については夕食で伝える

7 装備の装着

 ・靴の履き方
  ※登りはゆるめに、下りはきつめに足首を固める
 ・スパッツの付け方

8 歩き方(下手な休みは気力と体力が萎えていく)

 ・出発直後の20分は心がけてゆっくりと(アイドリング)
 ・踏み跡の見える道は外れないように一列で
 ・踏み跡のない場所は、同じところを歩かないように心持ち広がって
 ・息を整える休憩は随時とるが、ザックを降ろさない
 ・小休止(ザックを降ろす休憩)は、1時間ごとに5分程度行い、再度20分のアイドリングをとる
 ・大休止は、ミーティングや食事でメリハリの演出(いたずらに長引かせないこと)

9 テントサイトの選択

 ・登山道路から見えない場所(※推奨)
  ※テントサイトの頻度が上がって地面を固めないように
 ・雨天時に水路にならない場所
 ・水場(川)の近くは避ける
  ※水質汚染を防ぐ意味と、夜間早朝冷却現象が起こるため
  ※水音でクマが人の気配を察知できない

http://www.geocities.jp/soledad/hiobe-leave-mokuzi.htm

10 テント設営

 ・タープの設営
  ※木立などを利用して、なるべく居心地よく
  ※ロープワーク実習(もやい結び、自在結び)
 ・テントの設営
  ※ペグを使って本体とフライシートの間に空間を作ること
 ・テントの周りでは特に、走らないように指示する

11 トイレトレーニング

 ・場所の選定
  ※水場から60m(約80歩)離れること(※水質汚染を防ぐ)
  ※寄りかかれる木立があればなおよい(※ハゼなどのかぶれる草木に注意)
  ※単独行動はしない(※必ず複数で行動する)
 ・環境を整える
  ※直径20cm深さ20cmの穴を掘る(※バクテリアの分解を促進、あまり浅いと小動物が掘り返す)
 ・穴を埋める
  ※通常のトイレットペーパーは原則としてお持ち帰り
  ※土を混ぜてこねた上に土をかぶせて埋め戻す(※バクテリアの分解を促進)
  ※こねるのに使った小枝を土に刺しておく(※場所の再利用を防ぐため)
 ・トイレットゲーム
  ※おしりに挟んだ小物を、目的の場所に上手く落とすゲーム(※推奨)

http://www.geocities.jp/soledad/hiobs-how-to-drop.htm

12 水の取り方

 ・上流に人家や田畑がないことを確認する
 ・水源を荒らさないように静かにとる
 ・ボトルで直に取れない場合は、食器などを活用する
 ・ワサビなどの山菜を手折らないこと

http://www.geocities.jp/soledad/hiobs-water.htm

13 料理の仕方

 ・火器の使い方
  ※ガスストーブ
   ・アダプターをボンベにねじ込んで、ヘッドを小さなネジで取り付ける
   ・ガス栓を開いて、電子着火で着火(※つかない場合はマッチで着火)
  ※ガソリンストーブ
   ・2m以上離れた場所で、ガソリンを注入(※ファーネル2回分が適当)
   ・ポンピングバルブを開いて、40回程度ポンピング
   ・風上からマッチで点火
 ・まな板、包丁の消毒
  ※アルコールを使って消毒殺菌

http://www.geocities.jp/soledad/hiobs-syokuzi.htm

14 食事の取り方(夕食)

 ・チャウサークル(※上記参照
 ・手指の洗浄・消毒(※上記参照
 ・おかわりの仕方(※上記参照
 ・食器の片づけ(※夕食編)
  ※スプーンまたは手指できれいにこさぎ取る
  ※少量のお湯または水でさらにこさぎ取る
  ※汚水は飲み干すかキャットホール(離れたところに掘った20cm四方の穴)に捨てる
  ※少量のトッペでふき取る

     ※ 紅茶パックなどを使うと、鍋などの油分が取れやすい
 ・終わるまで全員で待つ

15 食料・ガベの保管

 ・テン場から十分離れた木立の間にロープを張って吊す
  ※高さ1m以上、木の幹から1m以上離すことを推奨(小動物から守る)

http://www.geocities.jp/soledad/hiobe-leave-mokuzi.htm

16 ミーティング

 ・ゴール設定
  ※参加者の参加理由を確認し、それぞれ個人の目標を設定する
  ※伝えあうことで、グループとしてお互いが機能し始める
  ※グループのゴール設定も推奨

 ・ハイポイントローポイント
  ※ハイポイント(最も心が動いた瞬間)、ローポイント(最も心が沈んだ瞬間)を伝え合う
  ※互いの感情の変化や違いに気付く良い機会となる

 ・プロセッシング
  ※一日の行動を感情を含めずにふりかえる
  ※グループとしての動きを確認する良い機会となる

 ・フォーカシング
  ※起こった問題を取り上げ、共通の課題として話し合う
  ※事象においての自分自身の姿勢をふりかえる良い機会となる
  ※自分自身や相手についての心の安全や、体の安全に対して意識する良い機会となる

 ・サンクス
  ※自分以外の全員に具体的な感謝の気持ちを伝える
  ※順番に回していくことが大切
  ※自分自身の存在を肯定的に捉える良い機会となる

 ・プランニング
  ※次の日の役割を決める
  ※次の日の行程と時間設定を話し合う

 ・アドベンチャープログラム概論
  ※アドベンチャープログラムのもつ意味について伝え、体験や経験を生活につなげる(一般化)機会となる

17 就寝

 ・歯磨き
  ※ゆすいだ水は、拡散させて捨てる
 ・皮膚の洗浄
  ※ウエットティッシュで汗や汚れを拭き取る
 ・ジャーナル記入
  ※日記を付け、健康チャックをする
 ・清潔な服に着替える

18 朝の動き 

 ・日の出と共に起床(※活動用の服に着替える)
 ・お湯を沸かす
 ・寝袋をたたんだ後はテントの撤収が原則
 ・食事
 ・パッキング
 ・ミーティング

19 マップリーディング(地図読み)

 ・コンパスの使い方
 ・整地(地形図の方角をあわせる)
 ・現在地把握
 ・地図上の登山道と実際を対応させる
 ・縮尺と距離感
  ※2万5千分の一の縮尺では、地形図上の4cmで実際の1km
  ※30歩から40歩で地形図上の1mm
 ・尾根線と峰線の見分け方
 ・等高線の見方(2万5千分の一)
  ※主線が標高差10m
  ※計線が標高差50m
  ※主線が1mm以下の間隔は想像を絶する急斜面

20 ディップ

 ・15時頃までの到着で実施
 ・水場の下流で行うこと
 ・濡れタオルで体を拭くことも効果的

21 雷対策

 ・光と音の時間差を数える
  ※20秒で避難開始
  ※7秒で緊急避難
 ・二つに折ったマットの上に足を閉じて立つ(通電のループを作らない)
 ・雷鳴がかすかにでも聞こえたら、稜線から速やかに脱出
  ※雷注意報発令時は必要十分以上の注意を払う

http://www.geocities.jp/soledad/hiobs-kaminari.htm

22 動植物等からの危険回避

 ・ハチ
  ※最初のハチは偵察隊(巣が7m以内にあります)
   ・動きを止めて様子をうかがう(あわてて逃げると刺激してしまう)
   ・決して払うなどの素早い動きをしてはいけない(攻撃したと思われる)
   ・その場にゆっくりしゃがみ込む
   ・落ち着いてきたら、ゆっくり場所を離れる
  ※襲ってきたら
   ・ダッシュで60m離れる(それ以上は追ってこない)
  ※服装に気を付ける
   ・黒や茶色は要用心(クマと勘違いされる※クマはハチの天敵)
  ※もし刺されたら
   ・あわてずにイントラに任せる
    ※ポイズンリムーバー、水洗い、タンニン酸アルコール洗浄または抗ヒスタミン剤添付
 ・ヘビ
  ※肌の露出を避ける(温度に敏感)
  ※草むらに要注意
  ※毒蛇(マムシ、ヤマガカシ)の見分け方
 ・クマ
  ※カウベルの携帯(トイレ時など要注意)
  ※単独行動の禁止
  ※水場や風の強いときに要注意(音で人の気配が消える)
  ※食料の放棄の禁止(動物を呼び居着かせる)
  ※カンターアソールトについて
  ※活動時間帯を知る(朝5時〜10時頃、夜6時〜10時頃)
  ※小グマに注意(決して近寄らせない!親グマがいる)
 ・イノシシ
  ※ウリボウに注意(決して近寄らせない!親イノシシがいる)
 ・かぶれる草木
  ※ハゼ(赤っぽい茎が放射線状に広がっている)
  ※ウルシ(赤っぽい茎が距離を開けて広がっている)
  ※ヌルデ(葉と葉の間の茎も、細い葉状になっている)
  ※ツタウルシ(木の幹に巻き付いているヤマイモ葉のツタ)
  ※敏感な人は、雨の日に下を通っただけでもかぶれる

http://www.geocities.jp/soledad/hiobs-hachi.htm


エクスペディションフレーズ

1 間接的支援を中心

 ・フレーズの始めは、参加者と距離を開けずに間接的支援をする
 ・フレーズが進むに連れて、参加者との距離を開けながら間接的支援をする

2 ファイナルに向けての意識付け

3 必要なトレーニングについての再確認

4 活動中のミーティングの持ち方の支援

 ・問題は全員の話し合いで解決する

5 活動における時間配分のイメージをインプット

 ・山時間(起床は日の出が基準、活動は午後4時までが原則、就寝は早めに)

6 ふりかえり

 ・ミーティングを演出


ソロ

1 ブリーフィング

 ・ソロの意義付け
  ※心身の休養
  ※自分自身をふりかえる時間
  ※家族や大切な人をふりかえる時間
 ・最低限必要な物
  ※ツェルトフライシート
  ※ソロシート(一人用ブルーシート)
  ※エンソライトマット
  ※寝袋
  ※シュラフカバー
  ※合羽
  ※GORP(食料)
  ※水
  ※緊急用笛
 ・オプション
  ※筆記用具
  ※ジャーナル
  ※リーディング集
  ※防寒着
  ※懐中電灯
  ※時計

2 セッティングと実施

 ・干渉し合わない距離に場所を準備
 ・平テープなどで、サイト入り口のきっかけを作る
 ・歩き出してから集合して戻ってくるまで口を開かないことを約束
 ・ソロ本部は笛の音が聞こえる位置に待機
 ・見回りをする場合は、安全確認のサインを決めておく
 ・オプション
  ※自分や親に手紙を書く
  ※グループの仲間にプレゼントを考える

3 フルーツパーティ(オプションとしてもよい)

 ・終了時刻に合わせて、スタッフがフルーツを準備
 ・ミーティング(ふりかえり)として使ってもよい


ファイナルエクスペディションフレーズ

1 ファイナルの意義付け

 ・グループのゴール設定
 ・プランニングミーティングでの行程確認 

2 活動のほとんどを参加者に預ける

 ・参加者の安全が確保できる距離を保って距離を開ける
 ・安全上必要ならば間接もしくは直接指示を行う

3 ふりかえり(フィードバック ※言葉によるポジティブな意味づけ)

 ・ミーティングを演出


コンクルーディングフレーズ

1 ラストナイトミーティング

 ・サンクス等ミーティングの演出
 ・フィードバック(言葉によるポジティブなふりかえり※プレゼント)
 ・個人ラン(個人チャレンジ)への動機付け
  ※グループから個人へ、現実への扉を開く

2 個人ラン(森チャレの個人チャレンジでも可)

 ・ゴール設定
 ・準備運動
 ・フルーツの出迎え
 ・ふりかえり

3 クリーンナップ(前日から始めていてもよい)

 ・テント、タープ
  ※乾燥させて撤収
  ※ペグやポールを現状復帰
  ※修繕箇所があったら、ガムテープで表示の後、故障者ボックスへ出す
 ・ザック
  ※ひどい汚れはしっかり水ぶきして乾燥させる
 ・寝袋、シュラフカバー
  ※天日で虫干しして乾燥
 ・ツェルトフライシート、ソロシート
  ※ひどい汚れは水ぶきして天日で乾燥
 ・エンソライトマット
  ※ひどい汚れを水ぶきして乾燥
 ・スパッツ
  ※ひどい汚れは水洗いもしくは水ぶきをして乾燥(※乾燥が最優先)
 ・スタッフバック
  ※ひどい汚れは水洗いの後からぶきして乾燥
 ・食器、コッフェルなど
  ※洗剤で洗って乾燥
 ・ガスストーブ
  ※汚れを拭き取って撤収
  ※残ったガスボンベは所定の場所へ
 ・ガソリンストーブ
  ※空だきして、オイルを刺して撤収
  ※ZIGボトルは空にしてボックスへ
 ・笛
  ※水洗いの後乾燥
 ・その他
  ※例外なく乾燥が最優先
  ※故障者は所定の場所へ出して、7番ボックスから補充

4 ラストミーティング

 ・現実への旅立ち
  ※別れを演出するのではなく、新しい出発を後押しするイメージで
  ※閉会行事の後はいたずらに長引かないように


緊急時の対応について

1 雷注意報発令時(※気象庁情報による)

 ※稜線に位置する全ての活動を自粛する

2 それ以外の注意報発令時

 ※情報を入手しながら、本部の指示に従う

3 警報発令時

 ※例外なくセンター体育館に避難


 以上は、県教育庁が主催する「心の冒険サマープログラム」や、山口県十種ヶ峰青少年野外活動センターで展開される冒険プログラムに対応できるようにまとめてみた。山口県がこれまで取り組んできた、OBS的な教育手法を活用した独自のプログラムのノウハウを含めたつもりである。
 これからYSSKのメンバーによって数々の手直しがされ、さらに実践的なインストラクターズマニュアルが完成していくことを切望する。

 文責 奥原 


資料集

http://www.geocities.jp/soledad/yssk/2005obsmanyual.htm