鬼ヶ城山


鬼ヶ城山(おにがじょうやま)1030.9m
山頂直下に鬼の城

 冠山から西中国山地が真南に下り羅漢山へと繋がるが、鬼ヶ城山はその中間に位置する県境の山である。国定公園から少しはずれ、寂地・右谷山系とは根違いの山であるためにハイカーは少ない。しかし、変化に富んだコース、展望、静けさなど、寂地山にひけをとるものではない。

「山口県百名山」から引用


平成14年9月24日(火曜日)天気晴れ
 運動会の振り替え休日を使って、相棒(My wife)と一緒に、羅漢山系の鬼ヶ城へ出かけました。目的は二つです。秋の実りを探すことと、鬼ヶ城山の名前の由来になっている巨岩を見ることです。
 錦町側から国道を宇佐に入り、県境の松の木峠に9時30分に到着しました。今は閉まっているスキー場の駐車場に車を止めて、9時50分、松の木峠を出発しました。
羅漢高原駐車場 松の木峠
 国道を山口県側に下って、二つ目の大きな右カーブに林道の入り口があります。車止めをまたいで林道に入り、軽いアップダウンを南へ向かいます。車の轍のある林道でしたが、最近車が入った形跡はありません。所々草で覆われているようなところもあり、静かな山歩きを楽しむことができます。
林道入り口 林道

 馬頭観音石仏の入り口を探しますが、あたりをつけたところに登山道入り口がありません。少し進んで様子を見ますがどうも違うようです。「人が入らないから、登山道も荒れてしまったんだねぇ。」などと、都合のいいことを言いながら、目の前の沢を直登することにしました。深い沢を登って、どん詰まりあたりから右の尾根を登ります。尾根近くから笹の藪がきつくなり、しびれるような藪こぎが続きました。

 尾根のこぶからコンパスをふって、背丈ほどもある笹の藪を泳いでトラバースしました。ほっと開けたところに古いテーピングを見つけて、ほっと一安心です。それからほとんど真南に数分進むと、馬頭石仏観音からの登山道が交わる鞍部に出ました。帰りにここを下って、馬頭石仏観音を拝むことにして、鬼ヶ城山への稜線を踏みます。静かな木立の間をゆっくり登っていくと、気持ちまで洗われるようです。
 現れた巨岩で休けいをとってさらに進むと、笹の原に出ました。さっきの藪こぎに比べると、ハイキングのような藪こぎをしばらく進んで、12時30分、鬼ヶ城山頂に到着です。
鞍部にある標識 巨石

鬼ヶ城山頂 広島湾を望む 羅漢山を望む 木陰で昼食


 山頂から広島側を覗いてみると、広島湾が見えます。南側は山口県側で、羅漢山が雄々しくそびえています。山頂の木陰でシートを広げて昼食をとってしばらく休憩しました。
 13時30分、山頂を出発。今日の目的の巨岩に向かいます。山頂から少し戻ったところに右に入るテーピングがありました。笹をかき分けると踏み跡のはっきりした登山道が現れました。急な下りをジグザグに下りていくと、いきなり目の前に巨岩群が姿を現しました。人間の背丈の3倍近くはあろうかと思われるほどの大きな岩々です。「鬼ヶ城」の名の由来になったという事実にも頷けます。
頂上の笹原 巨岩群
  さらに下って、檜の林の左側に、巨木の化石のような大きな岩がありました。それから数分で平岩に到着です。畳2畳くらいの平たい岩で、腰を下ろして休むにはよいかもしれません。
 そこから林道を飯山に進路をとり、20分くらいで馬頭観音石仏に至る登山道を見つけました。午前中の登山道の交点まで30分程度の登りで到着し、さらに数分下って、馬頭観音石仏を見つけました。林道の入り口を確認したところ、午前中に跡数分歩いていたらここまで来れていたことがわかりました。
巨木の化石 平岩
 またそこから登山道を引き返し、稜線を羅漢高原まで進むことにしました。背丈ほどもある笹の原を左に回って道がついています。「なんだ。やっぱり道があるじゃん。」と進んでいくと、きれいな4等三角点を見つけました。しかし、そこからどんなに探してもその先の道がありません。しかたなく、藪こぎです。とにかく方向だけ見失わないようにしっかりコンパスをふって、木立の中を藪こぎして進んでいきました。もう一つの目的の秋の実りは、少しだけ秋が早かったようでかないませんでした。
クマの爪痕

 小1時間の藪こぎの後、思っていたより東側の高原に出ました。でも無事に羅漢高原に、16時30分に戻ることができました。


 これから1ヶ月くらい後の方が、紅葉、実りともに充実しているのかもしれません。私にとっては10年ぶりの2度目の鬼ヶ城山でしたが、静かで雄々しくて、またこようと思わせる気持ちのよい山です。


わたしんちアウトドアレポート