傾山

かたむきやま
1602.2m
大分県緒方町上畑
2006.5.5


 「九州屈指の名コース。体力気力を要することは請け合い。」という登山ガイドを見て、わたしんちの虫が動き始めました。息子と娘はそれぞれ部活動で忙しく、夫婦での山行となりました。10数年前に2人で祖母・傾の縦走を企て、縦走半ばで断念したリベンジもできそうです。「健脚8時間・実登1600m」というレポートに、2人がどこまで近づけるのかが楽しみです。

 高千穂からやまなみハイウエーを南下して、竹田に入りました。緒方町を経由して上畑の民宿に着いたのが午後7時です。上畑の登山道分岐から登山道を1km入った支線に民宿「あんどう」があります。農家の生活そのままの民宿で、他の登山客と一緒に実家に帰ってきたような気がします。
 5月5日の朝、早い朝食をとって7時に登山を開始しました。九折登山道入り口に車を止めて、排水溝沿いに登り始めます。登り始めてしばらくして、今回の下山コースとなる「九折コース」の分岐が右側に現れました。さらにしばらく進んで、登山道左側に「三ツ尾コース分岐」の標識が現れます。そこから尾根線の急登を喘ぎながら登り、観音滝にたどり着きました。観音滝上部のドウカイ谷を恐る恐る対岸に渡って、さらに急登を登り詰めます。自分の体力に自信が無くなるほどの急な登りで、坊主の難所まで体力をいかに残しておくかがポイントになりそうです。

車中から見た坊主群 九折コース分岐 三ツ尾コース分岐 観音滝
ドウカイ谷 林道に合流 三ツ尾までの急登 三ツ尾分岐

 三ツ尾の分岐からなだらかな稜線を楽しみ、縦走路を20分も進むと坊主コースとアオスズ谷水場コースの分岐があります。三つ坊主の岩峰群は、ここから始まります。

三つ坊主二峰から望む 三つ坊主四峰 6mチムニーの岩場 クライムダウン
二つ坊主兄ピーク 二つ坊主次男 岩肌側面15mの岩場 水場コース分岐

 2級から3級の岩場が連続した岩越えの楽しい時間でした。坊主をいくつも超え、最後に15mの岩場を乗り越えて一般登山道に合流しました。難所にはロープが掛けてあり、ロープを頼ったら比較的簡単に乗り越えることができます。自分たちは、コースが初めてで、ロープの強度が全体を見てみるまでわからなかったので、ほとんどロープに頼らずに進みましたが、これもなかなか楽しかったです。
 2時間半のエキサイティングな行程を経て、前傾山から傾山頂に到着しました。


2006.5.5 AM11:45

 山頂にはたくさんの登山客がいました。中高年が多いのはどこの山でも同じですが、大学生のチームや家族連れもいて、山を楽しむ人たちの幅が広がっているような気がします。
 1時間近く滞在して、祖母山につながる稜線や、阿蘇山や久住連峰の景観を楽しみながら昼食をとりました。

二つ坊主・吉作落とし 祖母山稜線 後傾から本傾を望む

 傾山から九折分岐までの下りは、ブナに囲まれた穏やかな稜線でした。時々振り返っては、傾山のシルエットを楽しみました。1時間で九折分岐に到着し、九折越からカンカケ谷を目指して降ります。

九折越までの稜線 九折越分岐 傾山群を望む 九折越登山道口

 カンカケ谷の冷たい水で気力を取り戻してさらに下りを詰めました。テーピングやペイントで谷を渡るコースがしっかりと標してありましたが、もしガスがかかってしまうとルートを見失ってしまう事も起こりそうです。侮れない下りを数時間掛けて下りきり、やっと九折越登山道口に到着しました。
 コース走破時間は7時間。自分たちの体力と気力を確認しながら楽しんだ7時間でした。九州屈指の健脚コースというレポートは決して大げさではなく、十二分に満足させてくれます。
 アケボノツツジの華やかな美しさが気力を復活させてくれる心に残るコースでした。

山を彩る季節の花

ミツバツツジ シャクナゲ

わたしんちアウトドアレポート