ほうしさん

法師山

950m
2006.4.1
山口県阿武郡阿東町

カシミール3Dで作成

 思いがけず休みが取れた週末です。山口県自然体験活動指導者養成講習会でよく使われる、島根県との県境に位置する「法師山」に出かけました。
 この山の山頂はほとんど見晴らしが無く、藪の中に2等三角点があるだけの山ですが、そこにたどり着くまでの行程と、県境の稜線をたどりながら降りてくるルートがなかなか手応えがあって面白いのです。
 願成就温泉の駐車場に車を止めて、2万5千分の一の地形図とコンパスを手に持って歩き始めました。

 林道奥には、「法師山登山口」という小さな標識はあるのですが、谷間のゴルジェ付近で踏み跡は消え、尾根に登ってルートを切り開かなければいけません。現在地を十分に把握していないと、全然違った稜線に出てしまうことになり、「ここはどこ?私はだれ?」ってことになってしまいそうです。

 高度を稼ぐに連れて残雪が多くなりました。稜線の急登で足を取られます。県境付近のなだらかな丘には、しっかりと雪が付いていて、クロカンでも持ってきたらスキーを楽しめそうなほどです。
 雪の表面にクマの足跡を見つけました。時間がたって少し崩れてはいましたが、肉球と爪痕がはっきりわかる足跡が、雪原を高岳の方向へ進んでいました。

県境分岐から250m北に進んで、藪の中に隠れている?2等三角点を見つけました。法師山山頂です。

 復路は、野坂トンネルへ向けて稜線を下ります。何度も何度もだまし尾根が出てきて、気の抜けないルートです。数十メートルごとに現在地を確かめ、地図で進むべき尾根を確認して方向を決めます。歩測で距離を測り、まだ見えぬ尾根線へ方向を変えます。

法師山山頂 県境分岐 県境尾根 雪原
629ピーク 笹藪 高岳を望む 最終下山ルート

 山口県の山を中心に、いろいろな山に登ってきましたが、その行程がこれほど面白い山には出会っていません。地図読みのトレーニングには最高の山ではないでしょうか。


わたしんちアウトドアレポート