おそらかん |
恐羅漢 |
1345m |
まだ雪がたっぷり残る3月。恐羅漢山のスキー場は元気に営業していました。前日からやってきていたわたしんちは、初日にたっぷりとテレマークの練習をして、次の日に山頂ツアーに出かけました。
ブナ林コースのリフトを乗り継いで高度を稼ぎ、山頂直下の小屋付近から稜線に取り付きました。時刻は10:00。下界の小雨が小雪に変わっていて、昨日までしめっていた雪の表面がカチコチに固まっています。
小雪が風に飛ばされた雪面はアイスバーンが黒く光っていて、ステップソールの板ではブレーキがききません。片足ずつ表面をクラストしながら進んでいきました。
ゆっくり進んで約30分後。こんもりした恐羅漢山頂に到着しました。
霧と小雪で視界が利きません。そこから旧恐羅漢までの稜線を楽しもうとしていたのですが、進む方向に目標が見えません。旧恐羅漢方向の山頂直下は急斜面で、板を担いで降りようとしましたが、空洞になった雪に足を取られてこれも進むことができませんでした。
改めて板を履いて、林間を横滑りで降っていきました。思えば子どもたちも上手くなったものです。テレマークの姿勢を保ちながら起用に降りてきました。
両山をつなぐ稜線はなだらかで、間には気持ちの良い雪原が広がっていました。方向を見失わないために遊びこそしませんでしたが、そこにはゲレンデの喧噪も届かない静かな世界が広がっていました。
最後の急斜面を喘ぎながら登り切ったところに、旧恐羅漢山頂がありました。
雪に埋もれて半分顔を出した奇石群が、名前の由来を教えてくれます。山頂付近をしばらくうろうろして、下山に取りかかりました。
急斜面にも慣れました。手に負えない斜面は横滑りでクリアしていき、斜面が楽になるとテレマークを刻んでいきます。そのうち太陽が顔を出し、稜線の全体を把握することができました。
霧で隠れていなければ、視界が届くきれいな稜線です。こんもりした丘では、たっぷりと山スキーを楽しむことができそうです。お昼ご飯を雪原で食べて、ゆっくり時間を過ごしました。
帰りの恐羅漢山頂には、クロカンを履いたスキーヤーや、スノーシューを履いたハイカーがいました。にぎやかになった山頂を後に、わたしんちはそれぞれのテレマークで下山をしました。早朝喘ぎながら登った斜面を、あっという間に滑り降りてゲレンデに着きました。まさに山スキーの醍醐味ですね。
テレマークターンをゲレンデで練習するのも、この瞬間を味わうためです。来シーズンもいい雪に恵まれますように。