広島四山冬山登山

H30.2/11.12


2/11 県民の森~比婆山(1264m)~烏帽子山(1225.1m)~吾妻山(1238.4m)
カシミール3Dで作成

三連休
今季、何度も訪れている最大寒波の中、
未踏の冬山登山に挑戦です。
いろんなホームページを調べて情報収集。
地図もダウンロード。
スキーの道具はもちろん、
シール、シャベル、ゾンデ棒、ビーコン、ガーミン、コンパス、非常食、ガス、、水・・・
考えうるすべてのものを揃えました。

夏、登ったことのあるコースとはいえ、
季節が違うと、山は全く表情を変えます。
できるだけの準備をしていったつもりでしたが・・・
前日より、現地入り。
大分離れた道の駅宿泊も覚悟していましたが、
早めについて、スタッフの人に尋ねた結果、
県民の森駐車場に宿泊することができました。

温泉にも入ることができました。
夜の間もしんしんと雪は降り続き…
帰ろうとしてスタックする車、
やってきてスタックする車続出でしたが、

これまでも、いろんな雪山を越えてきたk-ai
安心して眠ることができました。

翌日は8:30のリフトに乗ってスタートです。
リフト最上部からシールをつけて
8:50歩き始めました。
昨日は雨、そして夕べからのうっすら新雪。
シールを履いて登るにはいいコンディションですが、
稜線近くまでは、、登山道が不明瞭でした。
ガーミンで、位置と方向を確認しながら、慎重に登っていきました。
H24 10月に登った時と
季節が変わると風景は全く変わってきます。
 前回登った時も、山頂ははっきりしていませんでした。
今回も、ガーミンで位置を確認。
9:43 比婆山(1264m)山頂。
 しんしんと雪は降り続き、登りで汗をかいたゴーグルは凍り付いてしまいました。
雪に覆われた道に感動しながら、
道を間違えると帰れない・・
その切迫感は増していきます。
 比婆山から烏帽子山までの道
次の烏帽子山も比婆山同様、前回も山頂ははっきりしませんでした。
山頂を行き過ぎ、出雲峠と吾妻山への分岐に到達したことで、山頂到達を確認しました。
10:15 烏帽子山(1225.1m)山頂
 烏帽子山山頂付近
あまりの強風と寒さで、私のガーミンはフリーズしてしまいました。
吹雪で視界は数メートル。
道を見失うことは、命を失うこと…
吾妻山への縦走をあきらめかけましたが、
相棒のガーミンが生きていたので、
相棒のナビに頼り、
吹雪の灌木林に踏み込みました。 
一人では、あきらめていたでしょう。
相棒がいてくれればこそ、歩き続けることができました。
大峠からの分岐の看板に出会い、
登山道をしっかりトレースしていたことを確認、、
心から安心しました。
11:20  大膳原
大膳原からの登りは、心が折れました。
でも、高いところを目指して
ひたすらひたすら歩きました。
 12:15 吾妻山(1238.4m)山頂
山頂到着した時は、猛吹雪でしたが、
深入山の時と同じように、奇跡のように太陽が出て、
周りの風景を見せてくれました。
そして、ここからシールを外して滑走。
今までで最高の滑走でした。
PARA吾妻山滑走
 奥ちゃん吾妻山滑走
最高の滑走を満喫し、大峠との分岐に戻ってきたのが、
13:10

カップヌードルとコーヒーで暖をとりますが、
止まると、とたんに汗をかいた体が凍り付きます。
13:40
シールを履いて、歩き始めました。
烏帽子山への登り返しで、
私のシール左側は雪がついて使えなくなってしました。
片シールで何とか登り切りました。
14:25 烏帽子山山頂
烏帽子山頂では、
復活していた私のガーミンも相棒のガーミンもフリーズしてしまいました。

ここで、また奇跡のように日が差し、比婆山がその姿を見せてくれました。
かすかに残った二人の踏み跡と、方向を信じて進みました。
15:13
再び比婆山山頂に戻ってきました。
寒さと疲労で体はボロボロですが、
ここまで来れたことの喜びと達成感。
そして素晴らしい景色が
心と体を前に進めてくれます。
 比婆山稜線
比婆山ツリースキー
15:35 スキー場に到着しました。
7時間のバックカントリー
無事に帰ってこれたことが、本当にうれしい。
そして、見てきた景色で心が満タンです。
ありがとう。相棒。
ありがとう。 雪山。 

ひばごん温泉郷すずらんの湯で体を溶かし、
なおも降り積もる雪の中を道後山高原スキー場へ。
ここも、前日のリサーチで泊まれることがわかっていたので、駐車場で車中泊。
誰もいない駐車場。夜中に目が覚めると、どんどんk-aiが埋もれていました。


2/12 道後山高原スキー場~岩桶山(1271m)~1271mピーク

カシミール3Dで作成

朝目が覚めると、誰もいない駐車場にタイヤまで雪に埋まった k-ai がいました。
朝ご飯の準備をしながらまずは雪かきです。
スコップでかき飛ばせるほどの柔らかい雪です。
パウダースノーに心が躍ります。

 

結構広いゲレンデの圧雪は、
なんとセンターの一本だけ。
あまりにワイルドな圧雪に感動すら覚えます。
ゲレンデのほとんどがオフピステです。

駐車場にも圧雪車が入りました。
キャタピラの跡があざやかなワイルドな圧雪です。
ちょっと気に入りました。
一晩中開いているセンターハウスでした。
中の畳の部屋には暖房が入っていて、
間違いなく仮眠できます。
穴場です。
第一リフトが動き出しましたが、
第二リフトは準備中です。
ふかふかのゲレンデをまずは楽しみました。

第二リフトが運行を始めたというので向かいました。

普通のリフト間のイメージは、
降り場から少し下って次のリフトなのですが、
ここの第二リフトは結構な距離を登ります。
もしかしたら100m近くあるのではないでしょうか。
また気に入りました。

第二リフトを降りたら
すっげぇふかふかの新雪です。
昨日のツアーで体の節々が痛いのですが、
テンションは上がります。
心配して声をかけてくれたスキー場のスタッフに
このツアー初めての二人の写真を撮ってもらいました。

さあ
道後山に向かいます。
夏山で登った見覚えのある看板を横切って
真っ白な登山道路に入りました。

スタートしてすぐにラッセルが始まります。
相棒のパワーはどこから来るのでしょうか。
交替を言い出すのにためらうほど
ぐんぐん進んでいきます。
この積雪量です。
一面真っ白です。
岩桶山への分岐に
休憩所がありました。
足場まで雪に埋もれていました。
ここで休んだらのんびりするだろうなぁ・・・
と思いつつ・・・
とはいっても、
掘り出さないと休憩できないくらいの積雪です。
岩桶山への分岐です。
岩桶山へは倒枝が道をふさいでいて、
ここをくぐって道を探しました。

ここから見えなくなった登山道を探して、
すでに登山道をトレースすることを止めて、
GPSで稜線まで上り詰めました。
実は、すでにトラバース後のトラバースで体力を使い果たしてしまった私は、
意味もなく幸せな気持ちになりながら
稜線上で何度も
「ここでいいかなぁ・・・」
と前に進むことを止めていました。
今考えると、
これまでで一番やばかったかもしれません。

岩桶山山頂で
相棒が待ってくれていました。
いつまで待たせていたのでしょうか・・・
疲れ果てて着いた岩桶山山頂です。
吹雪いていました。
汗をかくことを抑えるため
服を一枚脱いでいました。
強風の中とどまることができなくて
岩桶山を後にして道後山に向かいました。
夏山ではすぐに見えるはずの山が
雪に隠れて目視できません。
コンパスで方向を確認しながら進むしかありません。

技術と体力が成功の分岐だなぁ
と思いつつ、できるだけ早く体力が残っているうちに目的地に着きたくて
ラッセルを進めます。

道後山山頂が見えていますが
なかなか景色が近くなりません。
ようやく道後山に着いたと思っていたのですが、
GPSが示した山頂は、三角点のある山頂ではなく、
一つ手前の1271mピークだったようです。
もう少し先に行った、低いピークが道標のある道後山山頂(1268.4m)だったと
山を下りて気がつきました。。
リベンジをしなくては・・・
 
 

時折見せてくれる太陽の光が景色を映し出してくれます。
やっぱりきれいです。
来てよかったなぁと思います。
さて、下山の準備です。
手袋を外してシールを剥がしていると指の感覚がなくなりました。
一枚服を脱いで体温が下がってしまったのでしょう。
次につながる経験です。

雪に埋まったトラバースルートを二人で見つけつつ
岩桶山への分岐までたどりつきました。
ほとんどのラッセルを相棒に任せ
自分自身はようやくたどりつきました。
相棒がいなければ
たとえ目的地手前だとしても
行くことも戻ることもできなかったでしょう。
素晴らしい景色と
相棒に感謝です。
登山道路の下山は
登りのラッセルの跡をゆっくり滑って帰ることができました。
雪のトンネルです。
来なければ見ることのできない景色です。
スタートした東屋に着きました。
今以上に体力をつけなければいけないと
心から思った今回のツアーでした。

東屋で4時間ぶりに座ったら気力と体力が戻りました。
ここはスキー場の最上部
滑らない理由はありません。
リフト券も2人分残っています。

2日間の仕上げにじっくりとゲレンデを楽しんで山を後にしました。


アウトドアレポート