剣山

(つるぎさん)
1954m
徳島県三好市
H24.11.(22).23.(24)

カシミール3Dで作成

高低差グラフ


 11月の3連休。紅葉の見頃が最後の週末になりそうです。せっかくだからちょっと足を伸ばして四国の剣山に出かけました。めいちゃんも行くとのこと、山口市まで寄り道してめいちゃんと合流し、改めて防府西から山陽自動車道路に乗りました。四国香川の道の駅「ふれあいパークみの」まで、ナビは5時間半を示しています。高速道路では制限速度しか出ない k-ai は、ほぼ正確にこの所要時間を守ります。瀬戸大橋を経由して予定通り午後5時半、真っ暗に日が落ちた道の駅に到着しました。驚いたのは高速料金です。瀬戸大橋の通行料1500円程度は仕方ないとして、山口から四国までの高速料金が2500円くらいで済んでしまいました。キャンピングカーとはいえさすがに軽自動車。割引も手伝って驚く安さでした。夜はここの温泉に入るつもりでしたが、入浴料が一人1600円と温泉だけにしては高めなので、楽しみは明日にとっておくことになりました。

 四国に入っているから、ここから剣山までは近い!と思って朝をゆっくりしていたのですが、ナビをセットしてみると3時間以上かかることが分かりました。あわてて道の駅を出発です。高速道路に乗る前に燃料を満タンにして燃費を測ったら、リッター19kmです。高速道路ばかりを走っているとはいえ、驚きの燃費です。喜びつつ車を走らせ、ようやく11時前に見ノ越の駐車場に着きました。

つるぎ町の古い町並みを抜け 霧に煙る 見ノ越駐車場 霧の中を出発です。

 山は登山道路途中から濃い霧に覆われ、行く手が見えないくらいでした。剣山円福寺から登り始めたところ、稜線に沿った登山道で思わぬ霧氷に出会いました。まさか11月の四国で霧氷が見られるとは思っていなかったので感動しました。しかしこれは序章でした。リフトをくぐって西島駅(リフト終点)に行くにつれ、寒さはさらに厳しくなり、凍り付いた枝があちこちに現れ始めました。

am11:00 剣山円福寺登山道入り口 am11:12 今回の初霧氷 am11:40 西島神社まで回り込む登山道分岐

 11:45分。リフト終点西島駅に到着しました。先行していた女子2人連れにここで追いつきました。霜柱が溶けずに残っているところを見ると、ここは氷点下のようです。

 ここから剣山山頂まで3つのコースに分かれていました。尾根道コースと遊歩道のある大剣コース、それと縦走コースです。登山案内図を見ながらルートを相談しました。結果、尾根道コースを辿って剣山山頂を目指し、一の森まで稜線を進み、殉難の碑から北へ行場に進むことになりました。行場では不動の岩場コースを行くことになっていたのですが、後にこれは変更になりました。わたしんちは岩場が好きです。

11:57 霧氷に震える 一面の霧氷 12:02 刀掛けの松分岐
12:13 積雪が現れ始めました 12:25 剣山頂上ヒュッテに到着 12:49 山頂ヒュッテ内部

 山頂までの登山道は、薄手の手袋ではかじかんでしまいそうなほどの寒さでした。あちこち凍結していて、積雪も見られます。辺りの木々は霧氷が張り付いていて幻想的な雰囲気です。歩いているうちは何とかなるのですが、写真を撮ろうと立ち止まるとたちまち寒さに身が震えます。山頂ヒュッテ到着12:25分。元気な子どもたちが山頂の雪で大遊びしていました。ヒュッテ横のベンチでお湯を沸かしてカップヌードルを食べます。冬の山頂はこれが一番。おいしいし温まるし。山頂ヒュッテの中はストーブがついていて、ここはすでに冬でした。こんなに人がいたのかと驚くほどに人がいました。宿泊客もいたのかもしれません。
 ここから山頂まではほんの数分です。高山植物を守るため、大山のように木道が整備されていました。その木道が凍り付いていて、ロープにも霧氷が何段にも重なっていました。剣山山頂到着 13:00 です。

 時折、本当に時折、太陽が顔を出しそうになったりしましたが、山頂一面は濃い霧に覆われ、四方何の展望もありません。本当ならば360度の展望が開けているはずなのですが、仕方ありません。しかし、雲が上り、改めて山が白く煙る自然のドラマを見ていると、この時にここにいることができてよかったなあと思うようになります。

 山頂を離れて、次は一の森に向かいます。約50分の稜線ハイクです。稜線の木々はもれなく霧氷が張り付いていて素敵でした。

13:22 木道端、ここから一の森へ向かう 13:31 稜線樹氷帯 13:32 稜線樹氷帯
13:35 二の森付近 13:50 殉難の碑 新田次郎著 14:03 一の森到着

 14:00 一の森に到着しました。霜柱を踏みながらササの稜線を進みました。一の森のすぐ近くに一の森ヒュッテがありましたが、開業期間は11月始めまでですでに門が閉まっていました。巡礼の碑まで引き返したら、行場まで一気に下ります。階段が所々ありましたが、木の段はすっかり凍結していて一歩を踏み出すのが恐ろしいくらいでした。行場の分岐から不動の岩屋へ登る予定でしたが、ここでさらに高度を下げる両剱神社へのコースを選択することになります。蟻の塔渡りに魅力を感じたからです。しかし、岩や木々の凍結は予想よりも激しく、このコンディションで岩歩きは危険だと蟻の塔渡りはそこを拝むだけとなりました。残念でしたが安全登山のためです。無理は禁物です。

14:52 凍り付いた橋 15:05 蟻の塔渡り 15:08 古剱神社

 下っただけ登り直して、ようやく尾根道分岐、刀掛けの松まで戻りました。ルートのコンディションも加わって思っていたより時間が経っています。午後5時にはすっかり暗くなってしまう11月の山です。依然霧が立ちこめる登山道をひたすら下っていきます。いつも泣きが入るお父さんの膝ですが、この日は元気で頑張ってくれました。午後4時過ぎ、見ノ越駐車場に無事到着です。今日もいい登山でした。

 肌着まで着替えてようやく暖かくなりました。車を出したのが16:30分。新たな霧が立ちこめ、辺りはすでに真っ暗になってきています。大歩危小歩危へ行くつもりの無謀な計画はあきらめ、少しでも山口県に近づいておこうと、愛媛県の道の駅「マイントピア別子」を今日の宿にしました。つづらの下りを下って高速道路に乗りました。k-ai は小さいながら元気に走ってくれます。午後7:30分、道の駅に到着しました。近くの町で食事をして、道の駅の温泉に入りました。ほかほかになった3人で、車の中で打ち上げです。この車にしてから車中泊が楽しみになっています。行動範囲も広がったような気がします。何より宿泊代がかからずに夫婦や家族で遊べるのがいいですね。今回も3人で2泊3日。宿をとると考えるとそれだけで何万円もかかってしまいそうです。途中何台ものキャンピングカーとすれ違いました。いい車に出会い、いい遊びが広がっています。
 マイントピア別子は別子銅山開坑300年を記念して造られたテーマパークです。江戸時代の採鉱シーンが、人形模型で再現されている鉱山観光や、天然の別子鉱泉を利用したヘルシーランド別子の風呂が楽しめます。わたしんちは次の日に、東洋のマチュピチュといわれている東平ゾーンへ行ってきました。煉瓦造りの採鉱本部跡はなるほど東洋のマチュピチュでした。しっかり遊んで帰路につきます。
 しまなみ海道を渡って本土に上陸です。めいちゃんを大学まで送って、自宅に戻ったのは午後7時になっていました。たっぷり遊んだ3日間です。家族で過ごせた本当に良い時間でした。

東洋のマチュピチュ 採鉱貯蔵庫前 瀬戸内海を望む
しまなみ海道1 しまなみ海道2 しまなみ海道3

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