大山
(だいせん)
1729m
鳥取県西伯郡大山町大山
H24.4.29


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カシミール3Dで作成

 今年の連休は前半と後半に分かれました。どうも後半は天気がよくないらしい。ならば前半の3連休で遠出の登山をしようと、やって参りました鳥取町大山町。実は当初の目的は「甲ヶ山〜矢筈ヶ山」の縦走でしたが、大山町と船山村を結ぶ道路が完全通行止めで移動のタクシーにも断られ、やむなく予定を変更「大山登山」となったのです。今思えば、いろいろな力に守られての変更だった気がします。
 なにはともあれ、ワンゲラーのめいちゃんも参加してくれて、久しぶりの家族登山となりました。
高速道路を降りて 近づいてくる大山南壁 夕日が沈む日本海

 甲ヶ山に登るつもりで、最初は大山町を過ごして川床に向かいました。そこに車を置いて船山までタクシーでつなぐつもりだったのですが、船山までの道が完全通行止めで断念。ならばと直接船山まで向かったのですが、大回りで1時間近くかかることが分かり、辺りもすっかり夜になってしまったので大山町で泊まることになりました。
 大川寺のふもと、川岸の駐車場が夏のシーズンは無料開放でした。きれいなトイレも整備され、今日の泊まりはここに決定です。

 登山届けのボックスに「大山縦走禁止」のお知らせがありました。縦走路がどんどん痩せていって、足場がさらにもろく危険だからだそうです。確か20年前は「大山縦走は経験者に限る」とあったのに・・・。少しずつ様子が変わっていく大山に多少の危機感を感じ、今回の機会に今一度大山を登っておこうと、大山登山の開始となりました。
 早朝のキャンピングカーから外に出ると、たくさんの車がすでに止まっていました。朝早い登山客が次々に出発していきます。天気は晴天。山頂からよい景色が見られそうです。6:30分。一石一木運動の石をひとつバックに詰めて駐車場を出発です。

駐車場を出発です。 夏山登山道入り口 桜が舞っていました。

 夏山登山道は駐車場を出て左手すぐでした。石段を登ると土止めの階段が続きます。シニアな夫婦や若者のペアやパーティがそれぞれのペースで登っていきます。登山のブームでシニアを中心に登山人口が増えていますが、最近は山ガールや山ボーイなどオシャレな若者も増えているようで、山が何となく華やいでいます。
 自分たちの登山は、ほとんど人とすれ違うことのない山が多いので、すれ違う人がいるという山は逆に新鮮です。「登り優先。山側で避ける。」登山のルールを思い出しながら少しずつ高度を稼いでいきます。

土止めの階段が続きます。 この場所は、日の出を拝む山の神さんだそうです。 大山北壁が垣間見られます。

 自分の歩幅とペースをつかみきれない階段です。ペースを崩されないようにゆっくりを意識して歩を進めます。どれだけゆっくりでも進んでいけば必ず着くのが登山の面白いところです。抜いていく若いパーティとも、少しずつ間を詰めながら進んでいきました。五合目付近から雪の気配がし始め、8合目から上は雪渓を進んでいくようになりました。「これから先アイゼンがいりますか?」と、すれ違う登山者に聞いてみましたが、「アイゼンがなくても進めますよ。」という答えで多少不安を残しながら山頂を目指します。すれ違う下山者はアイゼンやピッケルを装備していたり、下界は春でも山は冬のようです。

現れ始めた雪渓 山頂までは雪渓を踏みしめて進みます。 山頂直下の木道

 高山植物を守るための木道が現れたら、頂上小屋までもう少しです。残念ながら高山植物は芽吹いておらず、可憐な花を見ることはできませんでしたが、山を守ろうとする人々の意識と努力は十分伝わってきて心地よい気持ちになりました。頂上小屋も木道に囲まれていて、昔のむき出しだった山頂のイメージはもはやありません。早朝に出発できたため、山頂の人々も思ったより少人数でゆったりしていました。大山山頂に到着です。

山頂直下の木道 山頂の木道 大山山頂

 ここまで2時間30分。6時半に出発して9時に到着しました。縦走路への入り口には「立ち入り禁止」の看板があり、その先には痩せて細くなった縦走路が垣間見えます。以前は進むことのできた道ですが、今は公には通れない道になっています。それでも縦走する人がいるようですが、その無謀さに違和感を感じつつ、安全な登山を心から祈ります。わたしんちは家族で山頂に立つことができました。日本海側の海岸線は地図のようにはっきりと見えていて、その高度感に感動します。よい日に登ることができました。

弥山〜剣ヶ峰 槍ヶ峰 南壁一ノ沢
 山頂小屋北西  山頂小屋から北側  山頂小屋北東

 山頂でゆっくり太陽を浴びて下山を始めました。木道を進むと景色に吸い込まれていくようです。雪渓を踏みしめて下りますが、気を抜くと滑ってしまいそうでなかなか景色を見ることができません。眼下には元谷への沢が切り立っています。5合目付近から元谷コースへルートを変えました。元谷で大山の稜線を見ながら昼食です。

眼下に広がる下界の景色 切り立った北壁の沢谷 元谷へ向かう

 元谷での昼食は完璧でした。南アルプスの山々を思わせる壮大な景色の真ん中で、ゆっくりと時間を過ごしました。今年は春が遅く、町では考えられないくらい山々は残雪をまとっています。今回も甲ヶ山の縦走を強行していたら、雪に阻まれ危ない思いをしていたかもしれません。自分たち家族を守ってくれる大きな力を感じます。元気に歩けたこと、笑顔で山頂に着けたこと、無事に下山できたことに感謝です。




  1分             2時30分       1時10分        50分        40分         40分   
駐車場 → 夏山登山道入り口  →  大山山頂   →   元谷分岐  →  元谷小屋  →   大山寺   →  駐車場
                                                                           (休憩を含め6時間)


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