大見山

(おおみやま)
大島郡周防大島町
336.7m
H22.4.26


カシミール3Dで作成

“県内の一等三角点の中で最も登りづらい、町民からも忘れられた不遇なヤブ山”
百名山踏波を終え、これからは一つずつ興味のある山を楽しんで登ろうと、登山の本を読んでいて見つけたワンフレーズ。
同じ大島でも、文珠山、嘉納山、嵩山はあんなに快適で整備された登山道があるのに・・・。
ひっそりとさびしげに佇む山頂の姿が目に浮かび、百名山踏波の余韻もさめやらぬまま、ザックを抱えてきてしまいました。

大島大橋を渡り右折。海岸沿いをひたすら直進します。
旧東和町に入り、和田地区を過ぎると目の前に
大見山の姿が見えます。
大見山の姿を見ると、まもなく逗子ヶ鼻につきます。
星野哲朗先生歌碑の看板を入ると
和田筏八幡宮の鳥居が見え、広い駐車場になっています。
車を停め、道路を渡って、和田地区第二共同貯蔵庫の前の車道を山に向かいます。
ミカン畑の向こうに逗子ヶ浜が見えます。
夏は家族連れでにぎわうのでしょう。
ヤブを覚悟してきたので、拍子抜けしながら、ミカン畑ののどかな風景の中を進みます。
道路脇をふと見ると、マムシ草が群生していました。
一週間ほど前大高神山で見た時はまだ若草色だったのに、独特のまだら模様が本当に不気味です。
舗装路の側には、クズの若芽が伸び、昨日見つけたヤブレガサやギンリョウソウの姿もありそうだったのですが、さすがに近寄るのがためらわれました。
海岸から35分。標高は半分の180mぐらいでしょうか。車道の終点、最後の作業小屋につきました。
作業小屋の右側に延びる道。テープもあります。ここからはいよいよヤブの始まりかな・・・。
先ほど見たマムシ草の警告を受け、スパッツ、手袋を装着し、踏み入ります。
おいしそうな竹の子を横目で見ながら、竹林を数分進むと右手に登山口がありました。

倒木に覆われた谷の道を進みます。
テープを見つけるとホッとします。
沢をたどっていくと、谷が左右に分かれており、
テープは左の尾根筋に続いており、ロープもあります。
左側の尾根に上がるようです。

急登を喘ぎながら登ると、勾配は緩やかになります。

西ピーク
西ピークでコンパスをふり直し、北西へ。ここからは踏み跡が少し怪しくなるので、
コンパスで方向を確かめ、その先あるテープを見つけて進みます。
大見山山頂 366.7m
前日に霜降岳で見たのと同じ大きくて立派な一等三角点。
雑木林に覆われた登山道の先で、ぽっかりと陽射しを集める山頂は、寂しいながらも
かって展望が開けていただろう面影を残していました。
作業小屋から山頂まで続く赤いテープは、この山に惹かれる人たちのいる証ではあるけれど、人が訪れようといまいと、人に愛でられ、もてはやされることはなくても、山はいつもそこにある。そんな山の大きさを感じ、温かい気持ちで山を下りました。

  

        15分      5分       15分         15分        10分
   駐車場 → 分岐1 → 分岐2 → 作業小屋 → 西ピーク → 山頂

                                 (登1時間・下り45分)