物見ヶ岳

(ものみがたけ)
707m
岩国市周東町
H21.1120


カシミール3Dで作成

平成15年以来、キャンプで何度も何度も登っている山ですが、まだ百名山に入れていませんでした。
時の流れとともに、キャンプの趣旨も変わり、もう登ることはないかもしれない。
そう思うと、やはり行かずにはいられません。郷上の野活センターに車をおかせてもらい、自転車で久杉まで戻って、そこからキャンプで歩いた道をトレースします。
万感の思いを込めて、思い出をたどりながら登りました。

北畑にある大きな看板。
ここから標識に従って、車道を登っていくのが
一般的で分かりやすいと思います。

今年度(H21)地元の方に教えていただき、初めて見つけた周北小学校横から上がる昔の道です。踏み跡はしっかりと残っています。
様々なお顔をされたお地蔵様が、点々と並んでいらっしゃる静かな山道。
お参りをしながら、きっと昔の人も歩かれたのでしょう。
そして車道へ。正規の(?)登山口からアプローチ開始です。木立に囲まれた広い林道が続きます。
のどを潤してくれるおいしい湧き水となぜかこの時期なのに木いちごが・・・
山登りの醍醐味ですね。
標識の登山口から上がり始めて、25分。同じ物見ヶ岳への標識があります。
ここから山道に入ります。このくねくねと登っていく山道で、いい汗をかきます。
この物見ヶ岳の登山道の中で、この夏の豪雨によって唯一崩れていたのがこの谷でした。
相棒と二人で直前の下見をしたなぁ。
植林の谷を巻くと、山道の終点が近い。 山道から再び林道へ出ました。
物見山頂には展望がなく、5分ほど南に行くと唯一展望が開けている場所があります。

   
展望所を更に東にドンツキまで詰めてみました。
H16に登った時は、展望が開け、この下の林道に下りる道があり、その林道を西に戻ると登山道に通じていましたが、
今はすっかり草に覆われ、展望もなく、下の林道に下りることも難しくなっていました。
先ほどの看板まで戻り、山頂を目指します。
林道から外れた山道は稜線はコシアブラと木立に囲まれた素敵な道。ここでソロをしたこともあったなぁ。
ところが・・わずか3ヶ月の間に車が通れる道へと変わっていました。
昔竜ヶ岳の下の相ノ見峠でも同じ事がありました。
仕方のないことだと分かっているのですが、少し寂しい・・

いつもはがっかりしてしまう山頂も、今日は感慨もひとしおです。
お別れのコーヒーを飲んで、お約束の一発を!
物見南ルート。すごいヤブ道だった。 北ルート。タングステンの車道まで通じています。 北ルート分岐から更に北西へ。昔パジェロが上がったとは思えないほど荒れています。
あの山の向こうまで続く林道にも行ったなぁ。
久杉の谷に続いています。

荒れた林道の中に可憐なひとつの花が・・ササユリ??

木の中を潜り、乗り越えやっと谷からの登り口につきました。
夏のキャンプで子どもたちの為につけたテーピングがまだ残っていました。山には踏み跡がしっかりと続いています。
645ピーク
この稜線を通るたび、恐る恐るのぞいた熊穴。もう主はいないようですが、今にも出てきそうな雰囲気です。
もう見ることもないのかな。思わず手を合わせました。

この稜線は今にも熊に出会いそうで、少し怖いけど私の大好きな山道です。熊穴から5分ほどで稜線から林道への降り口につきます。
木の葉を踏みしめながら5分ほど下ると、広場のような林道のドンつきに出ました。
ここはかってササユリが自生していた所。林道が切り開かれて、無くなってしまいました。
この夏、ここに来て「ささゆりが〜」と嘆いた友人の姿が目に浮かびます。
桜島の火山灰が降り積もったと言われる炭のような岩石でできた地層。子どもたちに見せたいな。
こから萩峠までは、私たちキャンプ仲間がパインロードと名付けた道です。
なぜパインロード?
それはヤブと乱立する背丈ほどの松とパインパインとおしくらまんじゅうをしなければ通れない道だったから・・
私たちはそれにあずりながら、でもどこかで楽しんでいました。
でも、今年通ってびっくり・・車が通れるぐらい切り開かれていました。でも、それからあまり人が通っていないのでしょう。
また、更に荒れ始めています。
山道は踏み跡を残すけれど、人が作った道は作る前よりももっと荒れてしまう・・
そのことを教えてくれたのも物見ヶ岳でした。

萩峠の手前、東側に物見ヶ岳を望むことができます。
ここにテントを張って、満天の星を眺めた時もあったな。

萩峠
萩峠から南東に続く林道。
かっては車で上がって来れましたが、
夏は崩落箇所があり、道をふさいで
いました。
尾根を進み、谷へ。この谷の道が荒れています。
谷を下りて林道につきました。美味しい湧き水があります。
この夏切り開かれていました。 左に行くと神社。車道に出ます。

そのまままっすぐ林道を進むとここにもお地蔵様が・・
無事の登山のお礼を・

私たちのキャンプの拠点。川越野外活動センター。
これからもお世話になります。
タイムテーブル
           10分(自転車)   15分        25分            25分     10分        35分
川越野活センター     → 久杉 → 登山口 → 山道登山口  → 展望所  → 山頂  → 谷からの登り口  
 15分        10分           5分                  30分     20分     25分
  → 645ピーク →  稜線降り口 → パインロードどんつき → 萩峠 → 林道  →川越野活センター
                   
                                                      約4時間 
秋風の中を、薄雪がふる中を、夏の暑い陽射しの中を、何度ここを訪れたことだろう。
クモの巣のようにはりめぐらされた地図にはない林道を、コンパスと地形を読みながら、
ドンツキまで行って確かめては、地図に落としていった日々。
子どもたちの泣き顔も、笑い声も、お互いに励まし合いながら登っていく姿も瞼の中に残っています。
たくさんの思い出と多くのことを教えてくれた物見ヶ岳。
忘れがたき物見ヶ岳・・・・・。ありがとう。

わたしんちアウトドアレポート