わたしんち目指せ山口100名山

小五郎山・容谷山

(こごろうやま・ようたにやま)

岩国市錦町

1161.7m・1031.5m
H19.9.24


カシミール3Dで作成

 「おとうさん、明日の山歩きだけど、超ハードコースと、ちょっとハードコースと、普通にハードコース。どれがいい??」「ハードしかないんかい!!」から始まった今回の山歩きです。結局、いつものように超ハードコースに決定し、明日の早起きに向けて早々と眠りにつきました。
 子どもたちは大きくなり、もう私たちの山歩きには付いてきません。2人の応援を背に、朝7時に自宅を出発しました。

小雨の出発 09:00 下木目の滝入り口 木目の滝 遊歩道入り口 09:35

 天気予報は、午後から回復する天気を告げていました。それを信じて、小雨の中、雨具を着ての出発です。寂地峡入り口から西側の林道を詰めて、木目の滝入り口まで車を進めます。そこから林道を歩いて進んで、遊歩道入り口で容谷山への尾根に入ります。遊歩道入り口を過ごしてしまって、林道を奥に詰めちゃいましたが、コンパスが南を指したのであわてて引き返して事なきを得ました。

容谷山遊歩道 容谷山を望む 藪ヶ垰到着 10:25 藪ヶ垰右谷山に至る

 木目の滝出発からおよそ1時間半。気持ちのよい遊歩道を詰めて、藪ヶ垰に着きました。藪ヶ垰とは名ばかりだなぁ。と思っていましたら、何と進行方向は一面の笹です。ここを進むのだという予備知識がなかったら絶対に踏み入れない方向でした・・・。

 しばらくヤブ漕ぎに喘いで、割と見通しのよい稜線に出ました。膝を埋める程度の藪で、さすが藪山!!と感心していたのですが、これはまだ幸せな環境だと、その後に思い知らされました・・・。

藪を歩く01 ブナの林 藪を歩く02 藪を歩く03

 約1時間弱の行程で、容谷山山頂に着きました。途中の小五郎分かれを確認できなかったため、「へんだなぁ・・」と思っている内に、「あれっ。山頂じゃん!」って着いてしまいました。

容谷山2等三角点
右谷山を望む 冠山稜線 羅漢山を望む


 こぶを2つばかり引き返して、藪に隠れたテーピングを見つけました。
小五郎分かれです。
 ここがそうだと確信を持たなければ、または、絶対ここから西へ行くんだと、
強い意志を持たなければ、この藪を進もうとは思うはずの無いほどの藪です。
小五郎分かれ

 相棒の背は完全に笹の下になりました。自分でさえ笹から顔を出すことができないほどの笹藪も出てきます。しゃがんで地面に顔をつけて、ようやく細い踏み跡を確認し、目星をつけて笹をかき分けます。体を預けなければ笹が動かない時もありました。

相棒は笹の中・・ 一面の笹藪 垣間見える小五郎山 落ち着いてきた笹藪

 小五郎分かれからカリマタ峠まで1時間強。ほとんど笹しか見ずに到着しました。カリマタ峠は、そこから北に下って向垰村落につながっている峠です。昔の人々は、この峠を越えてとなりの集落まで移動していたのでしょう。
 カリマタ峠で遅い昼食を食べていると、東側の空から雷鳴が聞こえてきました。雨も降ってきました。ここまでは、そしてここからも稜線の山歩きです。進むべきかカリマタを下りるべきか・・・
 身を細めて雷鳴に耳を澄ませていましたが、雷鳴はそれ以上にひどくなることもなく、そのまま北に移動していきました。小五郎山に向けて出発です。
 下着までびしょぬれになるほどの大雨の中、カリマタ峠出発から1時間半で小五郎山に着きました。笹のストレスで口数も少なくなっていく中、偶然見つけたヤマボウシの実が元気をくれました。
 笑顔で山頂です!!!

小五郎山2等三角点
西を望む 南を望む

 天候も、ほんの少しですが回復し始めたようです。向垰までの長い下り、じめった土に足を取られながら下山を急ぎました。膝をくすぐられながら1時間30分。向垰に至る林道に出ることができました。膝が悲鳴を上げる長い下りでした。改めて、体力作りの必要を感じました。

 全行程8時間のさすがに超ハードコースでしたが、無事に帰ってきて落ち着いてみたら、なかなかいい山だったと感じています。笹藪に守られた稜線は人を阻み、周りの自然を守っていました。ブナの木々が当たり前のように枝を広げ、ブナの幼木もしっかり育っていました。下山ルートも以前は笹藪だったと聞きましたが、現在はきれいに整備されて、その分雨で土が流され、本来土の中にあるはずの木根がむきだしでした。
 山を愛する形もいろいろあるけれど、守るべきにはどうすればよいのかを考えさせられた今回の山歩きでした。

わたしんちアウトドアレポート