(たじりやま)
360.1m
H14.11.10
田尻山MAP
田尻山勾配図
カシミール3Dで作成
10月に県の野外活動のメンバーとこの山に踏査に入ったとき、あまりの勾配とヤブの深さに頂上直下で断念してしまいました。地図にのっている道はすべて途中で消えてなくなってしまい、涙をのんで断念せざる得なかったのです。 | |
シダの藪 |
今回は相棒と二人で、そのリベンジでした。その時見つけていたガードレールの赤いペインティングを登山口の印だと信じて10:40分。山の麓に踏み込みました。最初のブッシュを分け入ると、そこには新しい道路で分断された、それはそれは素敵な林道とも呼べるくらいの広い道が続いていました。しかし前回もこれにやられました。入るにつれ道は細くなり、選択に苦しむ分岐が現れ、終いには身動きがとれないほどのブッシュになってしまうのです。田尻山山頂までは、見積もり距離1kmです。しかし、たどりつけない・・・ | |
入り口のペインティング |
「今回こそは行けるかもしれない!」と淡い期待を抱いて奥に歩を進めます。歩き始めて20分。次第に道が細くなっていき、ところどころ崩れたりなんかして、いやな雰囲気になってきます。そしてやっぱり行き止まり・・・いやな予感は当たりました。小道の突き当たりはシダのやぶです。かき分けてみたら背丈ほどの岩盤でした。よじ登ってみましたが、その奥にはさらに深いシダの海・・・ショックでうなだれていると、「こっちなら行けるかもしれない!」と、左の尾根から相棒がさけんでいます。泳ぐように斜面をトラバースしたら、尾根が植生が薄くなっていて、膝上くらいのシダに落ち着いていました。
さあ。やっぱりヤブこぎです。シダに足を取られ、次第に足が上がらなくなります。相棒と二人でラッセルを交代しながら直登しました。ヤブ漕ぎ30分。稜線に近くなってやっとヤブが落ち着いてきました。小枝をかき分けて進むと、過去に踏み固めたのではないだろうかと思われるほどの跡のある稜線に出ました。リベンジ達成目前です。コンパスをふって稜線を北に進み、数分で山頂に出ました。 | |
ヤブ・・・ |
二等三角点がしっかりと埋められてあり、疑うことなく山頂です。かまぼこ板くらいの板きれに「田尻山」と書かれてコナラの木の枝に結びつけてあります。天頂に青空が広がり、雑木の間から周りの景色がかいま見れます。苦労した割には景観の乏しい山頂でしたが、リベンジという目標を達成できて、嬉しさはひとしおです。コーヒーを沸かし、ゆっくりお昼を山頂で過ごしました。 | ||
二等三角点 | 田尻山の標識 |
12:30分出発。登ってきた方とは反対の方角へ、踏み跡を確かめながら下山を開始しました。快調に下山できたのも5分程度・・・また道がなくなってしまったのです。微妙な踏み跡を見つけて慎重にルートを探ります。時々ある古いテーピングが心の支えになりました。ようやく分岐の鞍部に到着すると、今度は地図に載っていない道が左右につながっています。国土地理院の地図もタイムラグがあるからなかなか判断が難しい・・・ | |
鞍部の分岐 |
鞍部から北側のルートを進みましたが、これは気持ちのよいルートでした。紅葉の落ち葉を踏みしめながら、ほとんどブッシュもなく進むことができます。ふっと出てきた小さな沼に驚いたり、沼から続く小川の先に滝壺があったり、一枚岩の岩盤を削って流れるミニ峡谷が出てきたり、近隣にこんな素敵な場所があったのかとびっくりするくらいの環境でした。
秘密の泉・・・ | 滝つぼ | ミニ峡谷 |
なんかぁ。ここに出てくるんかぁ。と言ってしまいそうな、先日「ここは道が違う!」と途中で引き返した林道に出てしまいました。 でも、これで田尻山踏査完了です。登るときにはいろいろ思っていましたが、登ってしまえばいい山です。機会があったら、子どもたちを連れてきてやろうと心が弾みました。 |
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林道出口 |