氷室岳

(ひむろだけ)

562.6m

H14〜H15


カシミール3Dで作成

@祖生ルート(H14.9.27,10.22)

 「氷室嶽。末元のツヅラ谷の内、ムクロジ谷の頭に小池あり・・・氷室なくしては其の名あるまじと祖生郷の説也」(『玖珂郡志』)
山名の由来たる氷室をあわよくば見つけたいという思いと、あまりに整備された伊陸ルートが少々味気なく、このルートに挑んでみることにしました。
 まずは9月、谷沿いから山に入り、北東の稜線から氷室に攻めてみました。ヤブこぎの中、やはり氷室は見つけることができなかったけれど、ぽっかりと山頂近くに手水鉢1を発見。信仰の山という、百名山(中島篤巳著)の一節を再び思い出しました。帰り道、今度はこの手水鉢から南東にのびる稜線へのルートを選ぶと、さらにもう一つの手水鉢を発見。その先、稜線の道を見失い、雨の降る林の中を転げるように下山。自分のコンパスワークの未熟さをまざまざと思い知る登山となりました。

 と言うことで10月、リベンジ登山。今度は、身の程をわきまえ、氷室探しはさておいて、先の登山で道を見失った稜線沿いのルートを確証してみることにしました。先日の谷沿いから北東稜線の道は、まさに道なき道という感じでしたが、東の稜線ルートは電線設置の際の道が、所々残っていて、ルートと呼べそうな気がします。

           
川沿いの道を進む 川沿いの道が切れる頃、山にはいる。
テーピングも発見。
 
              
稜線を見え隠れする道をたどりながら詰めると
先日下りた小学校が北側に見える。
西側に氷室の山頂。

 

      
東の稜線にある手水鉢2 山頂北東にある手水鉢1。
9月はここに上がってきました

山頂

               

末南より山頂まで:1時間20分

A伊陸ルート(14.12.5)

 こちらは全て舗装道路で、道を間違えることはないでしょう。所々の分岐点や稜線にあがれるような所も1、2ヶ所あり、そちらにも心惹かれます。 

伊陸から車道を左へ 林道の入り口。道は狭いが、車も十分通行できる
分岐点1。通じていそうな予感 分岐点2。ヤブに埋もれている・・ 分岐点3。テーピングも発見。



山頂より伊陸を望む

車道終点より南東尾根に入る 鐘楼跡?
南東の稜線は荒れ、道は消えていた

日照寺より山頂:1時間45分

B久可地ルート(H15.9.14)

祖生東から上がり氷室を経由して矢堰峠、そして祖生西へ抜けるルートはあるのか。それを踏査すべく、約一年ぶりに氷室岳に向かいます。
まずは、久可地から矢堰峠を目指します。

車道が切れるあたりで道は荒れ加減になりますが、そのあとは中電の鉄塔設置のために設けられたのでしょうか。とても気持ちのよい林道が続いています。
20分足らずで矢堰峠につきました。切り通しの道に明るい光が差し込んで、まるで別世界への扉が開いているようです。烏帽子岳の葛峠を思い出しました。
ここから祖生東へは多少道は荒れ加減ですが、道幅も広く、生きているようです。かすかに氷室の姿が見えます。町境の稜線をいけぬものかと崖を上がってみましたが、とても無理のようで引き返しました。

あきらめて、久可地へと戻る道の途中、北東にのびる荒れた舗装路。地図を見ると中電の鉄塔もこの方向に幾つかある
鉄塔のために設けられた道と久可地から氷室に延びる林道にどこかでつながっているのでは・・・
一抹の期待を持って進むと、小川とその前に荒れた家があり、そこから竹林に南東にのびる道が
荒れた家から竹林を抜けたら 門前へ南へ向かう道 北東へ氷室岳への林道
道は荒れ加減でしたが、踏み跡はしっかりしていました。林に残されたショベルカーが少し寂しい
一年ぶりの氷室山頂

30分ほどで先の伊陸ルートで見つけた、分岐点3にでてきました。山頂まで立派な車道ができて便利ではあるのですが、この林道や矢堰峠のような昔からある道が忘れられていくのは少し悲しい気もします。