コモングランドフェアー

さあ!コモン・グランド・フェアー(みんなの大きなお祭り:農業祭)だ。トシの大きなトレーラーで機材を運び、確保されていた場所にブース(出店)を組み立てる。夜までかかって組み上げて、2人でビールとワインで前祝いをする。材木を組み込んだこの出店もトシのオリジナルで、家を見ても思ったが、トシのバイタリティには改めて感心した。夜の11時に家族が来て合流(私は起きれなかった)して、トシも暖かい寝袋をゲットしたようだ。
9月22日(金)
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今日は朝から大忙しだ。ブースの奥で私が椎茸をスライスし、奥さんが中で天ぷらの衣をつけ、トシが揚げて店に出す。勘定は子供のノリ君の仕事だ。椎茸はアメリカでも健康食品として脚光を浴びていて、なかなかの繁盛ぶりだ。わざわざブースの奥の私の仕事場にまで出向いてきてあれこれ質問してくる人もいる。たのむから話しかけないで… |
午後3時までほとんど休憩がとれないくらい忙しかったが、昼をずいぶんすぎて食品関係のブースは落ち着きを取り戻し、私もトシから20ドルもらって遊びに出かけた。藤中さんの日記からもそのでかさとアメリカの文化の一端をのぞき見れる多様さを前知識とした持ってはいたが、期待を充分上回る規模と内容だった。
| アメリカの農業文化の展示から、有機栽培の品評会。プロのテキ屋のコーナーと、工夫を凝らした素人のブース。お土産屋さんも軒を連ね、企業の展示会も祭りを盛り上げてくれる。OBSのブースも中央沿いに出ていた。インディアンの歴史を語るブースも面白かったし、フロンティア時代のアメリカの暮らしを再現するブースも面白かった。その中で私が一番興味を持って見ていたのが、3日かけてカヌーを1艇作る、手作りカヌーのブースだった。来年は、総合学習で子供たちと手作りカヌーを通して自然を学ぶという計画を温めている私にとって、これは何よりの経験だった。 |
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夜は野外コンサートで盛り上がって、とにかく、祭りに参加する形でそこにいる自分の立場を心から楽しんだ。ありがとうトシ!
9月23日(土)
土曜日は、一番人が集まる日らしい。トシの言うとおり、お客が並んで順番を待っている。時々話しかけられても答える余裕さえない。冷凍庫いっぱい持ってきた椎茸もどんどん減っていく。隣のピースープ(豆のスープ)も、作るのが追いつかないほどだ。
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とうとう、午後になって椎茸が底をついてしまった。店を演出していた椎茸までもフライにして店じまいになった。
昨日目を付けていたブースに出向いて、心ゆくまで見学をする。お土産もちょっと買って、後は夜までアメリカンミュージックに耳を傾ける。贅沢な時間だ。
その日の夜の内に、1日早くブースをたたんでテントに潜り込む。テントの中から、コンサートの音色に耳を傾けながら眠りについた。
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9月24日(日)
トシの運転するトレーラーでトシの家に帰り、一通り片づけを手伝った後、数日遅れの朝日新聞をむさぼるように読んだ。カラカスに在住していた頃の自分とだぶっておかしくなった。ほんの十数日の滞在でも、やっぱり日本が懐かしくなってしまうらしい。
久しぶりに本当にゆっくりした。ノリ君のチェロを聞きながら、うとうとしながら時間を過ごし、昼は奥さんが用意してくださったロブスターにかぶりつく。
ベセルの町での買い物をするために心を残して少し早めにトシの家を後にする。コモン・グランド・フェアーにはぜったい行きべきだし、アメリカにどっぷり浸かるためにもトシのブースを手伝うことを心からお勧めする。贅沢な時間と暖かな家族のぬくもりでこころをふかふかにした後、スタッフハウスに戻った。明日から、センターでの昼食と夕食は食べられないと張り紙が出ていたそうなので、明日それをデビットに聞かなくちゃなあ。と思いながらシュラフに潜り込んだ。
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